大家が死んだらしい

10年以上前に住んでいたアパートでのこと。
仕事関係での転入のため部屋を大急ぎで探していた。

不動産屋に案内されたアパートは家賃の割に部屋も広く好条件。
他を見て検討する時間もなかったので即決。
気になったのは建物の片側が大きな墓地だった。
かえって静かでいいやなんて思って気にもならなかった。

住み始めてすぐのこと、部屋に大きなムカデがでた。
殺虫剤で処置したけどそれ以降も巨大なのが頻繁に出没する日々。

ムカデよけ用の蚊帳を設置し、部屋にいる時はその中で過ごし怖くてビクビクする日々。
でも恐怖はそれだけではなくて夜中頻繁に金縛りと人の足音。
台所から脱衣場の方へ誰かが摺りい。

ある晩は台所側のガラス戸の向こうに(ガラガラと開けるやつ)に人影まで現れて、ガラス戸に身体をぴったりくっつけこっちの様子を伺うふうだった。

「わーっドロボー!」と叫んだら影が引っ込んで消えた。
すすすっという摺り足で遠ざかった。
そのときのぞっとしたことと言ったら人生最大級。

すぐに服に着替え車でにぎやかな駅前通りまで走り、コンビニ脇に停めて仮眠とった。
これじゃ仕事でもミスが増えるばかり・・・。
後日聞いた近所の人の話だと入居者も、何人かが”見ている”んだって。

もう無理だとなり管理会社に激怒して連絡。
どうなってんの?こんな危ない部屋と。
不気味な影の件では交渉できなくても、ムカデの件では突っ込んでやろうと思った。

結局引っ越すしか無いと決意したころ、不動産業者が訪ねてきて「この建物は取り壊しますので退去願いたい」と。

大家が死んだらしい。
交渉の末70万の引越し費用と、プラス敷金返却で受けた。
ラッキーだった。

いまでも本当に霊っているのか信じ切れない。
ガラス戸越しの女は忍者なみの泥棒だったんだと自分を納得させてごまかしています。
現在、アパートの跡地には建売住宅がいっぱい建っている。

4500万平均。
買った人たちは知らないんだろうな。

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