霊とは認めなかった

カテゴリー「心霊・幽霊」

二十匹くらいの野良猫、飼い猫がうろうろする家だった。
猫達はどうしても近づかない部屋がいくつかと、家に近寄らない時間があった。

温室とフランス人形の写真がある部屋は、入口までは入るけれど絶対に中には踏み込んでこなかった。
いくら餌を置いても来ないので、結構のんびり出来る。
猫は何故か午後2時くらいから、5時くらいまで急にいなくなる。

どこかで餌付けでもされてるんだろうなあーと思っていたのだが、その時間祖父と二人で猫がいつもたむろしている居間でゴロゴロしていた。

子猫が三匹いたので、段ボールに入れて撫でていた。
親猫も側に居たんだが、2時になった途端玄関に向かってふーっと毛を逆立てて威嚇し始めた。

思わず祖父と玄関を見ると、誰か立っているのが見えた、黒い人影にしか見えないが人型・・・。

その人影は猫を見つけたのか、すぃっと滑るように近づいてきた!

次の瞬間、猫が床にぐっとしゃがんで動かなくなる。
何だ?と思って猫を見ると、身体全体を撫でる黒い影の手が見える!

潰しそうな勢いで両手で撫でている様子に、祖父も呆然。
猫はすぐにその黒い影を引っかくような動作をするとばっと走って窓から脱出。
我に返った祖父と自分も子猫の箱を抱えて家から飛び出していた。

猫が居なくなるのはこのせいか、と祖父はぽつりと呟いたけど、黒い影を死ぬまで霊とは認めなかった。

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