青白く酷く無表情

カテゴリー「心霊・幽霊」

小さい頃に祖母から聞いてビビり倒した話。

私がまだ生まれる前、祖母が50手前くらいの頃に、祖母と親しかった友人が亡くなった。
年齢もさして変わらない友人だったので、50にも満たない歳では早すぎる。
祖母も友人が入院中に幾度となく見舞いに行っていたので、かなり心を痛めたそうだ。

同じ町内に住んでいたので葬儀場も近く、通夜が終わり自宅へ戻った晩の事。
眠りに就いていた祖母は金縛りで目が覚めた。

自分の瞼が開いて、ゆっくりと視線が勝手に動くのを感じる。
そちらの方向には、今日の通夜で着ていた喪服が衣紋掛けにかけられていた。
そしてその喪服の襟の上に、亡くなった友人の首が乗っていたと。
まるで祖母の喪服を着ているかのように。

それは青白く酷く無表情だった。
視線がかち合ったままどれだけ時間が流れたのか、腹に力が入る事を確認して祖母は言った。

「帰るとこがどこかわからなくなったのかい?」

そうするとコクリ、と頷くように頭を項垂れた首は、すっと消えたという。

友人がこのような形で現れた意味や、かけた言葉が正しかったかは今でも分からないらしい。
少なくともそれ以降は現れていないので、帰るべき場所に帰ったのだろうと祖母は語った。

その他にも「火の玉は本当は大きい(ジャングルジムくらいの大きさ)」とか、「霊がいる部屋は赤く見える」とかそんな話も聞いたが、この話が一番衝撃だった。

今でも寝る時に目に見える場所に服をかけておく事は絶対にしないようにしている。

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