結局怖くて聞けなかった

あのころ俺達は、若さゆえのなんとやらで、寮のバカメンバーでつるんでは、心霊ツアーと称して、いろんないわくつきの場所に行ったものだった。

そんなある日、広島のヤツがビデオカメラを中古で手に入れて、「これで幽霊撮りまくろうぜ!」と、いつもの心霊ツアーに、それを持って行くことになった。

集合は夕方。
学校の裏門前の駐車場にみんなが集まって、そこからカメラをまわし始めた。

フルコースだった。
廃トンネル・・・自殺者が出た滝・・・山奥の神社などなど。
自分たちが行ったことのある心霊スポットに行っては、みんなでさわいでカメラに収まった。
結局、明け方近くに集合場所で解散したような気がする。

数日後、俺達バカメンバーは、沖縄のヤツの部屋に集合し、ビデオを見ることとなった。

みんなが、それぞれの心霊スポットではしゃいでいる姿が、テレビに流れた。

「おいおい、なにも映ってへんがな!」
「そんなことないさー、よくみるさーねw」
「中古じゃけぇ、幽霊映らんのんかいのぉ・・・」
「なんか俺達バカやってんじゃんw」

結局、心霊スポットでは何も映ってはおらず、場面は最後の解散場面となった。

・・・あれ?

俺はなぜか沖縄のヤツを見たら、ヤツも固まっていた。

俺:「・・・おい、今のは・・・」
沖縄のヤツ:「うん、そうかもしんない。」

俺:「おい!!巻き戻せ!!!!!!!!!!!」

俺は叫んだ。

最後にみんなを映して、『おつかれさまでしたー』なんて言ってる背後の崖・・・。
斜め下にうつむいている女の生首が、こっちを見ていた。

は?
なにも映ってへんがな。
なんか霊でもいるんか?

その言葉こそ恐怖を感じた。
なんと沖縄のヤツと俺以外には、その生首が見えていないのだ。

懸命に説得する俺達をバカにするかのように、結局彼らは帰っていった。
そして、残された2人で話し合った。

俺:「これ、どうしよう・・・」
沖縄のヤツ:「あ、妹の友達、霊感が強いから見てもらうさー!」

そのビデオは、ヤツの妹経由で霊感少女のもとへ届けられた。

後日、ヤツの妹から電話があった。
その内容を要約すると、こんな感じだ。

霊感少女がビデオを確認すると、やっぱり女の生首が映っていた。
そして、その生首が、毎晩毎晩、霊感少女のもとへ現れる。
ものすごく危険な霊だそうだ。
『もう絶対、心霊ツアーとか行かないように兄らにきつく言ってくれ!』と、妹に忠告したそうだ。

そのビデオは、ヤツの妹にたのんで、神社で処分してもらった。
その霊の正体は、結局怖くて聞けなかった・・・・。

その後、俺達が心霊ツアーを止めたのは、言うまでもありません。

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