霊媒師を信じるきっかけ話

カテゴリー「心霊・幽霊」

私が初めて幽霊と、それを見える人を信じた話。

私の地元では人が亡くなると、葬式とかに霊媒師みたいな人間が来るっていう決まり?伝統?のようなものがあった。
亡くなった人が身内に何を伝えたいか聞いてそれを伝えるっていう、よくテレビとかで見かける感じのやつ。
私自身そういうのは、怖い話やお化け屋敷とかの楽しめる範囲は信じてるけど、いるかいないかで聞かれたら、いるわけないとかいう人間。
だから葬式の時にこういう霊媒師を見たら、適当なことでよく金が貰えるよって内心馬鹿にしてたし、軽蔑してた。
人の弱みを漬け込む悪徳商法と同じだと思ってからだ。

だけど数年前、私を可愛いがってくれていた大好きな祖父が亡くなってから考えは変わった。

病院に寝泊まりしてたので一番最初に看取れた私は、母や叔父や叔母、いとこそっちのけで号泣。
祖父のベッドの傍に置いてある1つの椅子を占領して、ずっと泣きすがっていた。

母子家庭の私は、仕事でいつも相手してくれない母より相手をしてくれる祖父になついていたし、祖父も他の孫に比べてしょっちゅう遊びに来る私を本当に可愛いがってくれた。

私はいい歳して、看護士に離れて欲しいと言われるまで離れなかった。
ロビーに出ても叔母から貰ったお茶を握って泣き続けた。

それから大人たちが色々と進めていき、祖父は家まで運ばれて、スーツを着せられ、布団の上に寝かされた。
この時は祖父の大勢の知り合いたちが祖父に会いに来たので、また泣き続けることもできる。
私はずっと棺桶に入れる手紙を書いてた。
何度も何度も書き直して、書く度に涙が出てきて、紙はぐしゃぐしゃなのに結構な枚数になった。
この時の私はただただ、『夢枕でも幽霊でも何でもいいから祖父と話したい、今までのこと全てお礼が言いたい!』という気持ちでいっぱいだった。

そして次の日、祖父の葬式が行われた。
昨夜よりも多くの人間が来て、当たり前なのに驚いて何故か笑った。
じいちゃんってこんな知り合いいるのかぁ・・・って、ツボでもないのに声も出さずに笑う。
その後、また地元の儀式みたいなもので火葬する前に色々燃やしたりするのをやり、それが終われば普通の葬式みたいにお別れしたりして物をいれてくやつ。
数日前から散々泣いてたからその時は泣かなかったけど、火葬場移動する車に乗ったときにまた出てきそうになって、着いた時にはまた号泣した。

泣いてばっかだな、嫌だな、でも最後の最後は泣かずに見送れてよかった。
そんなことを考えてたけど、火葬場の火葬する小部屋のようなもの?の前まで身内はついてこれるらしいので、私は結果的に泣き笑いを見せることになった。
この時点でもう私は幽霊でも何でもいいから祖父に会いたいと思ったし、とにかくまた生きてる姿の祖父を一目見たかった。
そんな時に来たのだ、霊媒師が。

その人はどこにでもいるスーツを着ていた人なので、てっきり火葬場の職員かと思ってたのだがそれは間違いで、母がそっと霊媒師の人で叔父の同級生だと紹介した。
私は失礼ながら同級生って単語で一気に白けた。どうせ安くなるから頼んだだけで、なんちゃってのやつだろ。
霊媒師の人間に色々祖父ののとを聞こうと思ってた分、私はその人に対して一方的な怒りを向けていた。
そうとも知らずそいつは叔父とまぁ話し込む。
それだけのことなのに私は、偉そうに凡人は消えろとか思った。

それからその霊媒師は、先に叔父叔母に色々と祖父の伝言を伝えているようだった。
私からすればそれは、ありきたりで誰でも言えるものに聞こえた。

例えば叔父に対しては、「○○さんの娘さんいるでしょ?△△の子供が生まれる前に死んだのが・・・」
これも、娘さんがフェイス○ックとかに近況を載せてるので他人でも知れる。
ましてや同級生、そういうことはすぐ知れるだろう。
そんなことが続いて私はイライラしていた。
孫の私にはどうせ卒業式見れなくて残念とかか?ウェディングドレス姿見たかったとかか?ひねくれて考えてた。

霊媒師が今度は私と母のに来たので、さっさとくだないことを終わらせろって思いながら頭を下げてお願いした。
霊媒師はすると急に「ちょっとまって」といって、真剣な顔をして私の名前を聞いてきた。

霊媒師:「ごめんね。あなたは私ちゃんだよね?」

私:「はいそうです」

霊媒師:「ごめんね、祖父さん私ちゃんの名前いっぱい出してるけど伝えたいことが多過ぎて・・・もうちょっと待ってて」

この時内心、一人に対して違うパターン作って信憑性を上げる気かと思いながら、大丈夫ですよと愛想笑いした。
恐らく親戚の人皆が知ってる部活のことと予想を立ててた。
だけどこの霊媒師は次の瞬間、私と祖父しか知らないことを話した。
それは私が今度の誕生日プレゼントにってお願いした約束から、私が悩んでる部活の人間関係のことだ。

祖父は普段から寡黙なのでこういうことを他人に話したりしない。
私もSNSをしないし他人にはわからない。
気付いたらまた泣きそうになった。
そして霊媒師の人は最後に私が信じざるえない一言を付け足した。

霊媒師:「さっき棺桶に入れてくれた手紙の二枚目の約束のこと、守れないでごめんなさい、と」

手紙は誰にも見せずにすぐ封筒に入れたのりをつけて閉じた。
それからずっと自分で持ってて誰も見ることはできない。
私は全く信じてない霊媒師に向けて「そんなことないよ今まで本当にありがとうって伝えてください」って早口で伝えた。

霊媒師は「あなたたちの声は祖父さんに聞こえますから、私がいなくても大丈夫ですよ」と言った。
それに安心したら、霊媒師は「だから」と話を続けた。

霊媒師:「祖父さんさっきからずっと、私ちゃんが泣いてることと会いたがってることを気にしてるよ。私ちゃん、ずっと悲しんでると祖父さんずっとここにいちゃうよ。未練があったらね、祖父苦しんでここにいるよ」

数日前から泣いてる自分を思い出した。

一人きりになっても泣いて、人がいても泣いて、何で優しい祖父が心配してると考えなかったのかと反省した。
こんなに心配かけたら未練になるだろう。
私は時間差できた恥ずかしそうに涙を引っ込めようと奮闘した。
霊媒師は伝えるだけ伝えると他の人の所に向かった。

これが私の幽霊を信じるきっかけの話で、霊媒師は次の出来事で決定的になりました。

祖父が死んでから時が経ち、最近母が一家で昔からお世話になってる老人の霊媒師の元へ行きました。
母曰く、かなり信用できる人らしく、地図を持ってどこの方角に引っ越した方がいいか聞きにいったとか。
祖父の一件があってから地元の霊媒師に信用があった私は、母が霊媒師の所に行くのを止めずに見送りました。

それからは母が帰宅してきたので、早速霊媒師がどうだったか聞きました。
すると母は色々話す。

母:「方角は○○はよくて、△△は危ないって。あと他のことも聞いてきた」

私:「他のことって?」

母:「・・・実は娘さんが、悪い友達のせいで悪い方に行くんだって」

私:「当たり前のことじゃねえか何だそれ。」

そういうと母は反論する。

母:「でもあんた前に、旧友ちゃんも話してたでしょさっき?あの子ちゃんとしてはないでしょ・・・」

私:「一ヶ月以上前だしその子今県外でなかなか会えないよ。その霊媒師はいつされるとか言った?」

母:「言ってないけど・・・でもほら!今年の正月にご先祖様が果物お供えしてくれてありがとうって言ってたって!」

私:「何で果物あげたんだって怒る先祖はいないでしょ」

霊媒師は怪しい。
会ったことないけど、その後も出てくる報告が適当な助言や先祖シリーズばかり。
こういうインチキな人もいれば、本物もいるんだなと思った。

これか私が霊媒師を信じるきっかけ話。
母も叔父叔母もは相変わらずそのインチキ霊媒師を信じてるってのが、私にとっての怖い話です。

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