何かが覗いていた

私の家は犬を沢山飼っていて、中学生の時は小型犬が5匹暮らしていました。
中には私が産まれる前から暮らしていた子もいて、私にとっては実の両親や兄弟たちより親しい存在でした。
そんな犬たちが関わるお話です。

中学二年生の確か四月の中盤ごろでした。
ある真夜中、私は妙な寒気に襲われ目が覚めました。
もう大分暖かくなっているのに変だなと思いつつ、ついでにトイレに行こうと襖を開けると、犬たちが玄関のほうを向いてじっと座っていたのです。

5匹全員揃って吠えもせず座っているという異常な事態に、私が少し固まってしまいました。
すると玄関からひゅうっと冷たい風が吹き、私は反射的にドアのほうを見てしまいました。
すると、何かが覗いていたのです。

私の家は祖父母の持っていた小さな共同住宅を改装したもので、ドアに取り付けられているタイプの郵便受けが付いています。
少し前にその郵便受けが壊れてしまい、手紙を入れる長方形の穴だけ残っていたのですが、その穴から何かが覗いていたのです。

黄土色の微かに発光する人間の様な眼が、じいっと・・・。
その眼は、犬たちに向けられ、犬たちと見つめあっているような形になっていました。
私は恐ろしくて、その眼が自分に向けられる前に部屋に逃げ布団に潜り、ぎゅっと眼を閉じて、夜明けを待っていました。

そうしているうちに何時の間にか眠っていたようで、カリカリという襖をひっかく音で目が覚めました。

一応日も出始めた頃だったので、恐る恐る襖を開けると、うちで一番長く暮らしている犬がいました。
玄関のほうを見ると、犬たちも、そして謎の眼ももういくなって、そのあとすぐに穴を塞いだので謎の眼は現れなかったのですが、不可解な点があるのです。

私が住んでいる地区は田舎のほうで、私の家は夜寝るときも滅多に鍵をかけません。
つまり、侵入しようと思えば簡単に侵入できるのです。
なのに何故入らなかったのか?

もう一つ、家の門は古く、どんなに注意して開けてもカチャンという音が家全体に響きます。
なのに何故その音が聞こえなかったのか。
今でも不思議です。

あの時はすごくぞっとしましたが、文にしてみればあまり怖くありませんね。

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