とても懐かしい声

カテゴリー「不思議体験」

先週の日曜日、暖房付けっぱなしで、昼頃まで眠っていた時の話でございます。

私は常日頃から、スマホを目覚まし代わりに使ってんですが、その日曜日は昼の1時に起きられるよう、寝る前にアラームをセットしたはずだったんです。

アラームが鳴り、眠い目をこすり、目にした時刻はまだ朝の10時でした。
「っかしいなぁ。間違えたんかな。」そう思っていたら、握りしめたスマホから鳴るアラームの音が、着信音へと変わっていました。

朦朧とした意識の中、時間軸がふっとスライドするように「いつの間に」という感覚すら全くなく、手の中から聞こえてくる響きは、当然のように、着信音に変わっていました。

出てみると、「おい!」という一言をだけかろうじて聞き取れましたが、そのほかは、声が小さすぎるのか、私が寝ぼけているのか、なんだかもごもごしていて、何を言っているのか全く分かりません。

「○○!×!☆!?□!!!!!」というような調子で、まるで、文字化けというものを声に出したらこんな感じだろうか、というような、意味不明の言葉の羅列が耳に飛び込んできます。

ただ、、受話器の向こう側のその男が、もの凄く怒り狂っているというのは、不気味なまでにはっきりと伝わってきました。

まるで、怒気というものを、ビニールシーツか何かで包み込んだような、聞いている人を妙に不安にさせるような気配が、受話器から流れてきます。

ハッと気が付くと、それは夢でした。
時刻は昼の1時、携帯からはアラームが鳴っています。
私はそのアラームが、やがて着信音に変わらないかなと、不安と、少々の期待が入り混じった気持ちで、握りしめたスマホを眺めていました。

アラームは鳴り終わり、安心して、もうひと眠りしようと思ったその時、「ドン!ドン!ドン!おらぁあああ!もうええわ!」と、部屋のドアから、乱暴なノック音と、粗暴な男の叫ぶ声がしました。
そして、ガンガンと階段を下りていく音がしました。

私は少しあっけにとられ、しかしすぐに我に返り、ドアを開け、外を眺めるとそこにはいつも通り、日曜日の昼下がりの風景があるだけでした。

あいつ誰だったんだろう。
どこか、とても懐かしい声。
なぜだろう。
思い出せん。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!