十三参りっていう習慣

親父の生まれ故郷には、十三参りっていう習慣があって、要するに昔の元服の名残なんだけど、数えで13になったら守り本尊のところにお参りするってやつ。
俺もやった。

妹の十三参りのために鹿島の虚空蔵様に行った時。
親戚一同全員で本堂に座って、神主さんがナンジャラホイジャラ言ってるのをじっと正座して聞いてたんだ。

そしたらさ、途中で何か意識が飛び始めたんだよ。
眠気とかに近いようで微妙に違う感覚。

俺の脳みその、俺という人格の消費リソースが減っていく、みたいな。
んで、ずいぶん長いことリソースの引っ張り合いやって、やっとこさ終了。

で、そこからの帰りで、母親に聞かれたんだ。

「おまえ、あの時なにブツブツ言ってたんだ?」って。

いくら俺が当時からコミュ障の挙動不審だからって、ああいう場でブツブツしゃべるわけはないし、実際それどころじゃなかったんだから。

何もブツブツなんて喋ってないぞ、って言ったら絶対言ってたって。

なんか俺、お経上げてもらってる間、ずっとうつむいてブツブツ言ってたそうだ。

いわゆるトリップってやつなんだろうな。

んで二人して、まぁそういうことなんだろうってお互いなんとなくわかった。

その時聞いたんだが、母方の祖父には「視える」血が流れていて、どうやら俺はそれを引いてるらしい。

当時中2で、同調しやすいのもあったかもしれぬ。

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