能面が起きた

カテゴリー「不思議体験」

怖い話ではないけれど、気になっている話を・・・。

私は東北在住なんですけど、私の住んでいる地域で最近変な話があるんです。

『能面が起きた』と。

それは、今年の5月に私の住む部落(地域的な意味です)で急きょ祭りが行われることになりました。
今まで無かった祭りが急にできたのです。

それで、知り合いの区長さんになんの祭りか聞いてみました。

17歳以上の者はほぼ強制参加。
祭りと言っても出店があるわけでもなく、お寺の境内で火を焚いて鎮魂すると・・・。

教えてくれたのはそれくらい。
しつこく聞いたのですが、『どうせ参加しなくちゃならないんだから、そうすれば分かるよ』と。

両親にも聞いたのですが、『町の安全を祈って行う』とか『町おこしだ』とか、なんとなくはぐらかされてるような内容の答え。

正直、面倒でした。
仕事を理由に不参加しようと考えました。

ですが・・・・・・、私の職場はその部落にある小さな建設会社。
私はそこの事務をやっていました。
祭りの当日、会社は全体休業。
行かなくてはならなくなりました。

夕方くらいに寺に行くと、部落の人達がいるわいるわ・・・。

こんなに人住んでたの?と思うくらい集まってました。

みんなが、境内の真ん中にある火を焚く矢倉を囲む様に丸くなってます。
私も嫌々ながら混じりました。

夜7時、太鼓が鳴らされ、お寺の中から能面をかぶった人が4人出てきました。

寺の住職と区長さん、(服装は私服だったので服装や体格で分かりました)後の二人は分かりません。

その4人が焚き火の周りを回り始めました。

手には扇子と、棒の先に長い毛が付いたやつを持っています。

しばらく回ったあと、太鼓に合わせて踊り始めました。

みんなバラバラでした。

区長さんは盆踊りみたいな踊り、住職はお世辞にも踊りとは言えないような不恰好な動き、残り二人はジャンプしたり手を叩いたり・・・。

見ている年配の人達は、ほとんど手を合わせていました。

30分ほど経ったとき、太鼓が一度ドン!と大きく鳴って、踊りが終わりました。

司会者から『今日は忙しい中どうもありがとうございました。これから◯◯(集会所)で打ち上げをいたしますので皆様どうぞ』とアナウンスされた。

みんながぞろぞろと場を後にする。

その中に職場の同僚がいたので話しかけました。

私:『なんなのこれ?』
同:『分からん(笑)なんかみんな変だよな』

私:『打ち上げに行って聞いてみる?』
同:『そうだな』

そして集会所に行きました。

祭りに参加した人の7割は帰ったらしく、人は少なくなっていました。

集会所の中にはテーブルがずらっと並んでいて、オードブルやジュース、酒が出ていました。

私と同僚で適当に座り、同僚はビール、私はジュースをいただきました。

特に誰かのスピーチがあるわけでもなく、みんな座るなり適当に飲んだり食べたりしてました。

しばらくすると、近くにいたおじさんが酔い始めたのでチャンスだと思い『今日の祭りってなんなんですか?』と聞いてみました。

おじさんは『んぁ?あぁ・・・能面が起きたんだ。だからなぁ・・・・・・。鎮魂だ鎮魂!』と言った後、知り合いらしい人と喋り始めたので聞けず。

私は思い切って区長さんに聞きに行きました。

『そうだなぁ・・・。どこでもあるんだよ、こういうのは。でもな、このことは分からなくてもイイんだ。◯◯(私)はこういう祭りがあった時に参加してくれればいい。もう少し歳をとったら全部話してやるから』とだけ言われました。

これ以上は聞くことは出来ませんでした。

たぶん、昔飢饉があって・・・とかだとは思いますが隠すことあるのかな?と。

ただ、『能面が起きた』ってどういう意味なんだろ?

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