治す力をあげる

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

母の話をしたいと思います。

私が中学1年生の時でした。
学校から友達5人を家に連れてきて部屋で雑談等しながら遊んでいたのですが、ふとKちゃんの腕に目が行きました。

手首から腕まで切り傷がいっぱいで、特に3本程深い傷が印象的で衝撃でした。

当時Kちゃんは学校で酷いいじめにあっていたようで、階が違う自分はよく状況を把握出来ていませんでしたが、その場にいたほかの子達に酷いいじめの内容を聞かされました。
そのいじめでリストカットに走ってしまったそうです。

そんな話を聞いているとき、突然部屋に母が入って来ました。
どうやらお菓子を持ってきてくれたみたいだったのですが、Kちゃんの腕をみた途端顔色を変えて、Kちゃんの傍により話を聞き始めました。

Kちゃんは学校であった辛いことやそのせいでリストカットをしていることを母に話しました。
すると、「大丈夫、今からこの3本の傷を治してあげる」と言い放ちました。

その場にいた全員「え?何言ってるのこの人?」って感じなのも無視して、目を閉じKちゃんの腕を摩り始めました。
変な沈黙が続いた後、「もういいよ」と摩っていた手を離しました。

すると、一生残る程の深い傷がうっすらと色がついている程度になって遠目からは殆ど消えた状態になっていました。

友達皆で「うおおおおお!」と興奮し、その後はその話で持ち切りになりどんちゃん騒ぎしました。

母になんで消せたの?と聞くと、消せると思ったから、とだけ言われました。

その後Kちゃんのお父さんから電話でお礼の言葉とどうか自分の仕事運を見て欲しいと言われたそうですが、占い師ではないのでとお断りしたそうです。

最近、母が小学校の頃に近所にいた拝み屋さん手を握られ「治す力をあげる」と言われたのを思い出したと聞いて、書き込んで見ました。

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