ラブホテルの隣のカップル

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

昔付き合ってた恋人がラブホテルに詳しい人だった。
ある日「○○行ってみようよ。あそこのホテル壁が薄いから隣の声が丸聞こえで凄いらしいよ」って誘われて、ちょっと気になってしまったのでそのホテルへ行く事になった。

部屋につくなり壁に耳を当てる二人。
噂通り、繊細な物音まで聞こえちゃうくらい音が筒抜けだった。

こんな調子だと自分達ももしかしたら音を聞かれてるんじゃないかって思ってそういう行為は今日は止めておこうと説得。
もう時間的に0時過ぎだったしラブホの部屋でやる事も無いし寝る事にした。

彼氏はベッドに入って早々爆睡し始めたが私は寝付けずに黙って目を瞑ってた。
だけど全然眠たくならずにボーっとしてたら静かだった隣の部屋からジャンプした時のドシン!って足音が聞こえ始めた。

暇過ぎたのでいけない好奇心が働いてしまい、ベッドをこっそり抜け出すと壁の前に座り込み耳をあてた

普通のトーンの会話が聞こえたけれど、明らかにジャンプしてる音とか激しい謎の物音も聞こえるから、この人達何やってるんだろう?って気になっちゃって聞き続けた。

しばらくすると音も会話も無くなって静かになったけど、静寂の中男の泣き声が聞こえてきた。

嗚咽をもらすくらい号泣してて、「何が起きたんだ!フラれた?」と私の好奇心はMAXだったけれど、泣き声もすぐに消えて無音になっちゃったから一人妙にドキドキしたままベッドに戻って寝た。

翌朝彼氏に昨晩の事を話したかったが、聞こえたら悪いので黙って部屋を出たんだけれど、廊下へ出ると昨晩の隣室のドアの前に白いスニーカーが一足並べられててドアに小さいメモ用紙が貼り付けられてた。

「ご迷惑をおかけして申し訳有りません。これを見かけた方は警察に通報してください」

的な事が書かれてたから嫌な予感がしてすぐさまフロントに行き警察へ通報してもらった。

私達も一応帰らずに待っていると静かにパトカーが到着。
ホテルの事務所みたいなところに私達は待機で従業員と警察の人が部屋へ向かった。
従業員だけが先に戻ってきたが私達を見るなり苦い顔をして首元に手を回すジェスチャーをした。

どうやら無理心中?したらしく、女性はロープで首を締められて殺されてて、男の方は薬を多量摂取したみたいだけれどまだ生きてた・・・。

警察に行かなきゃいけないわ色々大変な事になって疲れてるんだけど、しばらくあの謎のジャンプの音とか思い出して寝られない日々が続いた。

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