「後ろを見ろ」

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

この間公開された劇場アニメをレイトショーで観にいった。
その劇場が物凄い冷房が効きすぎて内容そっちのけでブルブル震えてた。
ちなみに客は自分一人・・・。

映画が終った後に車を運転してたんだけど、急にお腹がグルグル鳴り出して「ヤバイ」って思った。
家までの距離はまだ遠く、かといって劇場は閉まってるから戻れない。
コンビニもちょっと遠い・・・。

思案にくれつつグルグルいうお腹を抱えて運転してると、「そういえば公園にトイレがあったはず!」、と思い出した。
自分はあまり行った事はない公園だったけど、トイレはすぐ目に付くところにあったから駆け込んだ。

夜中だし当然使ってる人なんて居ない。
シーンとするトイレに多少ビビリながらも、それどころじゃないと勢いよく個室に飛び込むと
一気にズボンもパンツも降ろしてかがんだ。

暫く天国が続く・・・。

落ち着いてきて個室を見渡すと落書きがいっぱいしてある。
男子トイレにありがちな下品な図形とか絵とか色々。
その中でふと気になる文章が目に止まった。

「後ろを見ろ」

そう書いてあった。
自分は色々想像してしまって、ゾ~っとした。

怪談の落ちとかで後ろに幽霊がっていうのが定番だから、「見るもんか、絶対見るもんか」と心の中で言ってた。
その時にトイレの外の道路から車を停める音がして、足音がトイレに入ってきた。
男の人で口笛を吹きながら俺の後ろの個室に入る。
夜中のトイレに一人きりじゃないという状況に安心して用をたしおえると尻を拭く為に中腰に。
その時それまで静かだった後ろの個室からガタッて音がした。
人が入ってる事は知ってたからビックリはしなかったけど気になったから、中腰のまま自分の股の間から後ろを見ると・・・目が合った。

壁に穴が空いてて、隣の人の目が俺を見てた。

ジーっとズーっと見てる。

覗いてるのがばれても微動だにせず、ジーッと見てた。
俺はもうビックリしすぎて声が出なくて、動揺しすぎて何も考えられないし心臓が止まりそうで、そのままあちこちに体をぶつけながら逃げ出した。

途中ズボンを上げてなかったから何度か転びそうになりつつも車まで走って、そのまま急いで公園から離れた。

その事があってからというもの、トイレに入ると視線を感じるような気がしてなりません。

霊だったのか、変質者だたのか・・・。
恐らく後者だと思います。

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