研修医時代の実体験

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

研修医時代のことです。
病院の一般当直をしていると、色んな患者さんがきますが、公立系の病院だと、そんななか案の定というのか多いのが、メンヘラとDQN。
世間というものを教えてくれました。(もうお腹いっぱいですけどね)

特に洒落にならなかったのが、リスカ事件。

受付で「あたしは不安で不安で死んじゃいそうなの!」とヒステリーを起こしている若い女性。
彼女は有名な救急外来しか受診しないメンヘラさんで、要は優しく話を30分も聞けば便秘薬だけでおとなしく帰ってくれるのですが、あいにくこちらも本当に重症で緊急手術になりそうな人を見ていたので当たり前ですが順番を待っていてもらいました。

それが甘かった。
突然待合で上がる悲鳴と怒号・・・。

慌てて見に行くと、手首からだらだら血を流すお姉さんと、泡を吹いて意識をなくした子供、泣き叫ぶ子供、悲鳴を上げるお母さんに怒号を上げるお爺さん・・・。

手首を切ればさっさと見てもらえると思ったお姉さん。
なぜかその場で鞄から包丁を取り出し手首をバッサリ。
あろうことか、待合で熱を出してうなされている子供を連れてきた親子連れの前を選んで・・・。

小学校低学年くらいだったでしょうか、子供の方は本当に失神してしまい、その子についてきた兄弟たちは大パニック。
しかも悪乗りした(としか思えない)お姉さんの抱きつき攻撃で、血まみれに・・・。
まさしく阿鼻叫喚の状態でした。

すぐ駆けつけた救急部の師長(いわゆる看護婦長さんね)と、ベテラン医師が「お前らは普通に救急やれ!こっちは構うな!」と私たちを遠ざけたので、その後は不明ですが、お姉さんにはその後会っていません。
彼女はちゃっかりどこかで元気にしてる気がしますが、あの時の親子はいまでもとても心配です。

こんな感じで生きてる人間がよっぽど怖いことが多いです。

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