総合病院に吊るされた短冊

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

怖いと言うか、何と言うか・・・。
自分はサービス関係の仕事をしてて、とある総合病院に行ってるんだけど、今年の七夕の季節の話。

普段は行かない小児科に用があって上がったら、笹の葉に短冊が一杯飾られていた。
子供が拙い字で書いた願い事と、親御さんの書いた願い事。

「はやくたいいんしたい」とか「びょうきがなおりますように」とか普通に元気で暮らせてる子だったらテレビのヒーローになりたいとか、おもちゃが欲しいとか書いてるだろうになぁって思って見てたら、親御さんの書いた一枚の短冊が目に入った。

お子さんがどうやらのっぴきならない病気らしくて、短冊一杯に「これ以上子供の病気が悪化しないように、手術成功するように、来年もずっとママの傍で笑っててくれますように・・・」みたいな事をぎっしり書き記してた。

もうなんかその短冊からオーラがどばっと出てるみたいな感じで、読んでるとこっちの心にも来るものがあった。

七夕の前の日、また用があって小児科に上がった。
看護婦さんを待ってる間に短冊を見てた。
短冊が笹の葉に揺らめいていた。
前に来たときよりも沢山の短冊が飾られている。
あの短冊もそこにあった。

ただ1つ変わっていたのは沢山の願い事を書き記した短冊の言葉を打ち消すように真っ赤なサインペンで大きく一言「何も叶いませんでした」と、書き足されていた事だけだった。

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