自分の血と走り去るスニーカー

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

私が保育園に通っている頃の話。

私と弟(1歳下)の中で流行っていた遊びが足し算と引き算でした。
車のナンバーを見て計算し、その速さを競うというもの。

6314だったら63+14とか63-14で計算。

この遊びは父が教えてくれたもので、両親が運転する車の中で夢中になってやっていた。

ある日、保育園の先生が私の特技に気がついた。
何がきっかけだったかは覚えていない。
先生は「すごいすごい」とほめてくれ、今度の参観日に発表しようと言った。

参観日では画用紙に問題が書かれていて5問くらい解いた。
人から初めて注目され、恥ずかしかったけどうれしい一日だったと思う。
弟は自分もやりたかったと騒いでた。

たぶんこの参観日がきっかけになったんだと思う。

次の週、保育園が終わり母が迎えに来るのを待っていると、頭にものすごい痛みを感じた。

「ごめんね!そんなところに立ってるなんて思わなかった!」

どうやら友達の母親が持っていたバッグが頭に当たってしまったようでした。

数日後、この日も母を待っていると頭にバッグを当てられました。
別の友達の母親にです。
こんなことが頻繁に起こるようになりました。

休みの日に友達の家で遊んでいたとき、何かの拍子に友達を泣かせてしまったことがありました。
これに気がついた友達の母は私をものすごい剣幕で叱り、何度も何度も頭を殴りつけました。

別の日、私は家にあった鉄棒で遊んでいました。
足だけを引っ掛けてぶら下がっていると後ろから誰かが近寄ってきました。

次の瞬間・・・私は頭から地面に落ちました。
頭を4針縫う怪我・・・。

近寄ってきた人が誰かは分かりませんが、おびただしい自分の血と走り去るスニーカーを今でも覚えています。

幽霊とかのお話ではありませんが、お子さんがいる方は気をつけてください。
お子さんの周りにも幽霊より怖い存在がいるかもしれません。

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