ヤバイ、モノホンだ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

私の大学時代の友人Yの実体験談です。

大学に入って上京するまでYは広島県三原市に住んでいました。
結構ヤンチャもしていた様で、しばしば夜中に友達と連れ立って遊び歩いたりもしていたそうです。

ある時、よく丑の刻参りが行われているという神社の噂を聞き付け、そこそこオカルト好きなところがあったYはヤンチャに任せて友達と二人で現場を押さえに行ったそうです。

真夜中に件の神社につくと、果たして釘を打つ音が聞こえる。
どんな奴が呪いの儀式なんかやってやがるんだという好奇心からこっそりと境内に侵入し、音源を探すと、本当に白装束の女が藁人形に釘を打っていたそうです。

Yは丑の刻参りについてある程度の知識があったので、その格好がかなり本格的なものである事が分かり、「ヤバイ、モノホンだ」と感じてその場を離れようとしました。

その刹那、勘付いたらしく女はY達の方を振り向き、凄い勢いで彼ら目掛けて走って来たそうです。
Yはサンダル履きだった友達に構わず全力で逃げ、友達も走り難いサンダルを脱ぎ捨てる事で逃げのびました。

Yと違い、友達の方は覗きが見つかった程度の認識だったので、「お前、マジに逃げすぎ」とYを小馬鹿にし、明るくなると脱ぎ捨てたサンダルを拾いに行きました。

サンダルは、藁人形が打ちつけられていた杉の木に常軌を逸した滅茶苦茶さで釘打たれていたそうです。

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