アキバ系

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

友人のK子は、夜にキャバクラでバイトしてる。
酔っ払い相手のバイトなので当然嫌な客も居るらしく、帰りの最終電車で、思い出しながらムカムカしていたそうだ。

雨が降っていて電車はジメジメしてるし、片手には買い物の紙袋、片手には傘で、電車が揺れるともうどうしようもなく、思わず「ああ?最低!」と吐き捨てた。

すると目の前に立っていた男が「スイマセン・・」と呟いた。
見るとこれぞアキバ系の典型みたいな冴えない男だった。
そいつは痴漢に間違われたとでも思ったのかオロオロとしている。

逆恨みというか何というかその態度がK子に火を付けてしまったらしく「ふざけんな、この野郎!」と怒鳴ってしまったというのだ。

『はは、ひどいなァお前。そいつどうした?』と俺が聞くと、周りの客が(なんだ、痴漢か?)ざわついたので、さすがにチョッと冷静になったK子は、まずいなとは思いつつ、しかし今さら謝る事も出来なくなって下を見て黙っていたそうだ。

「恥ずかしいやら、腹立たしいやらでアパートへ帰ったんだけど」とK子は言った。

興奮気味で中々寝付けずに翌朝寝坊したK子は、慌てて部屋を飛び出したらしい。

K子:「で、ドアを開けたらね。ドアの前に男が立っていたの」

例のアキバ系の男がジッとこっちを見て言ったそうだ。

「ごめんね」

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