首をカクカクさせる

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

あんまり怖くないと思うが書かせてもらう、すまない。
少し前の話なんだが、夕方くらいに教科書を学校に忘れたことに気付いて学校に取りに行ったんだ。
テスト期間中だったし、「うわっやべー忘れてた・・・」って感じで。

んでその帰り道でさ、俺が教科書持って歩いてたら、向こうからやたらでかい声で電話しながら歩いてくるおっさんがいたんだ。

「うるせえなあ」とか思ってじろじろ見てたら近くで見て気付いたけど、そのおっさんなんか様子が変なんだ。

おっさん誰かと電話しながらずっと小刻みに首を「カクッカクッ」って感じで上下に振っててさ、なんかそれ見た瞬間「うわっ・・・」って思った。

で、気持ち悪いから横にズレてそのおっさんと近くですれ違わないように歩いてたんだ。

そしたらおっさん、ペットボトルかなんか踏んで派手にすっ転んでさ、『カラカラカラー』って俺の足元に携帯が転がってきたんだ。

とっさに俺が携帯拾って渡そうと思っておっさんの方見たら、寝転びながらもまだ首をカクカク振っててマジで不気味だった。

「なんだこのおっさん・・・」とか思いながら、携帯渡してとっとと帰ろうとしたんだ。
んで転んだ体勢のままのおっさんに「あのー・・・」って携帯渡そうとして気付いたんだけど・・・多分誰もが一度は聞いたことがあるだろうセリフがかすかに聞こえた。
『・・・になった電話番号は現在使われておりません』

それが聞こえた瞬間、「やばいやばいやばい」って言葉が頭の中をよぎって、半ば投げ付けるような形でおっさんに携帯渡して全速力で家に帰って玄関に鍵をかけた。

あんまり怖くないかもだが俺は本当に怖かった。
俺幽霊とかは見たことないからあのおっさんは人間だと思うけど、マジで洒落にならんくらい不気味だった。

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