ノンケの後輩のケツを犯し

カテゴリー「怨念・呪い」

大学時代、同じ学部に石丸(仮名)って男がいたんだ。
これがまた評判の悪い奴でね。
体育会系のサークルの幹事長だったんだが、後輩を虐めて何人もサークルを辞めさせたらしい。
後輩を殴って負傷させたとか、ノンケの後輩のケツを犯したとか、カラオケで警察沙汰を起こした時に後輩を身代わりに出頭させて逃げたとかいう話を聞いた。

おいおいマジかよと思って、石丸の高校の後輩だった戸田(仮名)って奴にそれとなく聞いてみたんだよ。
戸田とは飲み友達でね。
苦笑いして肯定も否定もしなかったから、石丸の噂は本当だったんだろうな。

俺は思わず「石丸って高校時代から問題のある奴だったのか?」って聞いたんだ。
そうしたら戸田はこう言ったんだ。

戸田:「とんでもない、優しくて面倒見のいい先輩でしたよ。後輩からも慕われていて、失恋したと聞いたときは後輩みんなで励ましたくらいですから。それが、東京に来てから石丸さんは別人のように変わってしまったんです」

その時は、上京するとそんなに人って変わるのかなーくらいにしか思わなかったんだけどな。

2年くらい経ってからかな。
俺は就職して都内で仕事してたんだが、街で偶然、石丸を見かけたんだ。
あいつ相変わらず傍若無人に振舞ってるのかなーと思って奴を見てたら、何か変なんだよ。

背中のあたりが妙に暗いというか、深緑の靄がかかって見えた。
見間違いじゃないかと目をこすってみたが、やっぱり靄が見える。
よく見ると、それ靄じゃなくて人影だったんだよ。
深緑の人影が、石丸の背中にべったり張り付いてた。

俺が見ていることに気づいたのか、人影はこっちに向かってきた。
人影は宙に浮いててさ、滑る様に俺に向かってきて、目の前に立った。
何かされるんじゃないかと思ったが、俺はビビッてその場から動けなかったよ。

そうしたら人影は急に俺が着ていたジャケットのポケットに吸い込まれていって見えなくなった。
ポケットには、いつも出社時に入れているお守りがあった。
お守りが救ってくれたと思い一息ついてから、その日の仕事を終えて帰宅した。

ただ人影を見た翌日、ひどく体調が悪くなったんだ。
朝起きてから死にたくなるほど憂鬱で、ひどく疲れている感じがした。
おまけに寒気が止まらない。

仕事なんか全然手につかないし、1日中辞めたいって気持ちでいっぱいになった。
帰りは一転して異常なほど攻撃的な気分になった。
電車に乗ると誰彼構わず殴りたくなるし、女と見れば犯したくなった。
俺はどうしちまったんだ、このままじゃヤバいと思って、人と目を合わせないようにしながら慌てて帰ったよ。

帰宅してから、ジャケットにお守りを入れっぱなしにしていたことを思い出したんだ。
昨日みたいに助けてくれと思って、お守りを出して握った。
すると、急にお守りを持っている手が痺れてきて、頭の中に声が響いてくるような感じがした。

「殺せ奪え犯せ殺せ奪え犯せ殺せ奪え犯せ・・・」って。

俺は翌日会社を休んで、お寺に行ってお守りを引き取ってもらった。
それ以来おかしな現象は起こっていない。

しばらく経ってから久しぶりに戸田と飲みに行った時、石丸の近況を聞いた。
石丸は高校時代のように優しい性格に戻って、今は教師をやっているらしい。

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