券売機の前、誰か居ます?

カテゴリー「都市伝説」

当時、俺とその友人は、なにかにつけて人をからかうのが好きだった。
その日もとあるラーメン屋で、店員からかおうぜって事になった。

俺と友人は、店に入って直ぐ、券売機の直ぐ横のカウンター席に座った。
注文したラーメンが届き、半分ほど食べ終えた時、そろそろだなと目配せした俺たちは、イタズラを決行した。

俺:「スミマセン、今、俺の後ろ、券売機の前、誰か居ます?」

俺がそう店員に話しかけた。
もちろん俺の後ろには誰も居ない。
深夜だけあって、店内にも俺たちを含めても数人しか居ない。

友人:「ああ、またか。スミマセン、コイツ、いわゆる見える人なんスよ」

と、友人が相槌を打つ。

もちろん二人とも霊感など皆無だ。
しかし、いきなりこんな事を言われたら、誰だってビックリするだろう。
俺たちはそれを楽しみにやっていた。
店員は、少し驚いた様だったが、何も言わなかった。
友人は、カウンターの下で親指を立てて、やったぜ!のサインを出した。

調子に乗った俺たちは、更に「俺もそんなに強い方では無いんですが、恐らく、30~40代の女性だと思います。何をする訳でもなく、ただ居るだけ?みたいに思います」とか口から出任せを言った。

友人も演技で「お、おい、やめろよ・・・」等と言って、場を盛り上げた。

すると、先程まで一言も話さなかった店員が、溜め息一つに口を開いてこう言った。

「・・・あの女、まだ居たのかよ」

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