※この体験談は体験談投稿フォームよりいただきました鈍色蝶様からの投稿です。
これは、とある場所に立っている、廃墟となった病院にまつわるお話です。
その病院は立ち入り禁止になっているのですが、ある時小学生の男の子たちが遊び半分で入り込んでしまったそうです。
病院の中は、蜘蛛の巣が張り、埃まみれの床やベッドには、薬やカルテや注射器が散らばっていました。
男の子の一人が、薬の入った小さな瓶を手に取って、
「捨ててあるんだから、もらってもいいよね。」
そう言うと、ふざけて薬を家に持ち帰ってしまいました。
その夜、男の子の家に電話がかかってきました。
消え入るような女性の声で、
『 ○○子ですけど、薬を返してください。』
男の子は真っ青になって、
「ど、どうしよう・・・ 僕・・・」
男の子の顔はみるみるうちに赤みを増し、高熱で倒れてしまいました。
男の子は遠のきかける意識の中、両親に薬を病院に持っていってくれるよう頼みました。
男の子の必死の頼みに、父親が薬を持って病院に出かけると、間も無くまた家に電話がかかってきました。
消え入るような女性の声で、
『 ○○子ですけど、薬を返してくれてありがとう ・・・・・・あなたの命も返してあげるわ。』
その後、男の子の熱はあっという間に下がったそうです。