※この体験談は体験談投稿フォームよりいただきました鈍色蝶様からの投稿です。
その昔、とある村の外れに、昼間でさえ大の男も通りたがらないような、薄暗くて寂しい大きな草原があったそうです。
そんなある時、遠くの町へ糸を買いに行こうと真夜中に一人でその草原を通った、当時十九歳になる娘が何者かに殺されるという、痛ましい事件が起こったそうです。
その事件があって以来、夜になると殺された筈の娘が当時のままの姿で、
「去年も十九、今年も十九。ぶーーん、ぶーーん。」
と歌いながら、草原の真ん中で踊っている姿が目撃されるようになったそうです。
やがていつしか人々は、その草原を『 十九ヶ原(じゅうくがはら)』と呼ぶようになった、との事です・・・
また、その草原には大きな岩が一つあったのですが、その事件があって以来、夜になると殺された筈の娘が当時のままの姿で、
「去年も十九、今年も十九。ぶーーん、ぶーーん。」
と歌いながら、大岩の上で糸を紡いでいる姿が目撃されるようになったそうです。
やがていつしか人々は、その大岩を『 十九ヶ岩(じゅうくがいわ)』と呼ぶようになった、との事です・・・