中期中絶する患者

産婦人科って結構怖い。
病院だからどこの科でもそうかも知れないけど、まさに生と死が隣り合わせ。
外来は薄い壁一枚の右では稽留流産(子宮内胎児死亡)の説明受けてて、左は腹部エコーで赤ちゃんの大きさ測って喜んでる。

この間、配偶者間人工授精を行う患者さんを病棟へ案内してたら(うちの病院は病棟で行う)、中絶の手術を終えて退院する人とすれ違った。
皮肉だね。

でも一番怖いと思ったのは中期中絶。
妊娠12週以降は胎児がだいぶ大きくなっているので、通常のお産と同じように薬で陣痛を誘発して分娩させる。
みんな凄い声を出して痛がる。
そりゃ痛いよね。
お産の痛みは骨盤を内側から砕かれるように痛むんだから。

ちゃんと十月十日の間、お腹の中で育てて母親になる心構えが出来ている人は、痛みを上手に逃す方法を勉強してるし、覚悟も出来ているから、それほど大きな声を出さない・・・たまにはどえらい声が病棟中響き渡ることもあるが。

一方、中期中絶する患者さんにはそういう時間はない。
多分、これから自分がしようとしていることに対する心構えも出来ていないから、ただ激痛に身を任せるしかない。
そして、そうやって産まれてきた赤ちゃんは生きていることもある。
でも、この子には暖かなベッドも母親のおっぱいも与えられない。
ステンレスのトレイに入れられ、ガーゼをかけられ。自分が死ぬことを母親を含めた周りの大人に待たれるだけ。

産まれた時、少し動いていた手足もしばらくすると動かなくなる。
それで死ぬために産まれてきた子供の短すぎる一生が終わる。
霊より余程怖い。

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