警察とグルの人間

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

三年ぐらい前の実話。

俺は自家用車を、一軒おいて隣の月極駐車場(20台ぐらい収容)に停めている。
ある日、いつものように駐車をし家に帰ったら、23時過ぎに来客が来た。

ドアホンで見たら警察。

何事かと思って慌てて出たら、駐車場の隣のマスに停めている黒いワンボックスカーの扉についた傷の件について話を聞きたいという。
現場に行くと、見事に白い傷がついていた。

一目でペンキなどを塗った棒状のもの(例えば交通標識のポール)などに擦ったような傷と、後から付けたような細い傷がついており、当然俺に全然関係がないものだった。

ところが、俺の自動車の後部にもいつの間にか傷がついており、一か所は昔からある傷、もう一か所は全然覚えの無い細く長い傷。
しかもその二つの傷の幅が、ワンボックスカーの扉の傷と全く同じ高さ、同じ幅。
なるほど、これは保険金詐欺だなと思い、警察から鑑識に来て貰う事を選んだ。

こちらには一切思い当たることは無いし、この傷は時期的におかしいと主張したが、最初に来た巡査は傷の幅が一緒だから認めてくれ、面倒だしというスタンス。
それは公正性が無いから黙っとけと言ったが、鑑識が来るまでぶつくさぶつくさ文句を云う。

早く帰りたいとか、これだけ証拠があるのにとか嘯いている。
だが、鑑識が来て詳細を見て貰ったら即時、「ああ、これは別の傷ですね。私はこの傷が同じ原因とは言えません」という結果が出た。

当時俺の自動車は、極稀に運転する事がある祖父母の為に高齢者のマークがついていた。
高齢者宅に深夜に警官がいきなり来れば、大抵はびびって謝罪し、お金も貰えるとでも思ったのだろう。
が、自分に瑕疵が無いのにお金を払う謂れは無い。

鑑識の結果を以て逆に、「こちらを陥れようとした可能性があるので、最初に訴えた人の名前を教えてください。下の長い傷は彼に付けられた可能性有ります」と云ったのだが、巡査が教えようとしない。
何度要求しても逃げる。
鑑識が帰った後、ワンボックスカーの持ち主と巡査が逃げるようにいなくなった。

腸が煮えくり返っていた俺は、翌日警察署に向かい、昨日の件の落とし前をつけてやろうと思っていた。
神経が高ぶって寝られず、午前四時ぐらいに再度現場に行くと、ワンボックスカーの傷は殆ど拭き上げられており、細い傷がついているだけだった。

一見派手に見えたのは、小手か何かで傷っぽく何かを塗っていただけらしい。
とりあえず写真を撮り、そのまま寝いった。

午前9時半頃、眼が覚めて現場に行くと、既にワンボックスカーは無く、駐車場のオーナーに聞くと、散々俺の悪口を云い、傷つけられたので駐車場変えると云い放って解約したらしい。

昨夜の顛末を話して、そいつの名前を聞いたが教えようとしない。
仕方がないので、警察署に行き、そいつの名前と昨夜の巡査の名前を尋ね少し調べてみた。

すると、その二人が中学高校と同級生で、且つ割とやばい連中が集まっている場所に住んでいる事が分かった。
一応釘を刺しに行くかと思い、ワンボックスカーの持ち主の家に行くと、丁度自動車に乗ろうとしている持ち主と鉢合わせになったが、俺を見るとすぐに逃げだした。

その後、そいつの家にワンボックスカーが戻ってくることは無かった。
おそらく売りに行ったのだと思う。

それだけで終わればいいのだが、その後俺の自動車に何か所か傷をつけられた。
当然想定していたので監視カメラをつけていたのだが、俺のミスで赤外線付きのつもりがついておらず、不鮮明で犯人が断定出来なかった。

その後自動車に関しては特に問題なくなったが、カメラさえちゃんとしたものを買っておけばそいつに天誅を下せたと思うと悔しくて堪らない。

そして、最近俺と全く同じような感じで訪ねてきたやつに、謝ってお金を払ったという知り合い(近所の人)が出てきた。

つくづく失敗したなぁと思う。

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