使用禁止になったトイレ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

中学時代の話。
心霊系ではないがあまりにも不気味な出来事だった。

部活の最中同じクラスの女子2人から「ちょっと来て欲しい」と言われ、何かと思い話を聞くと・・・。
部室棟の女子トイレのドアが一つだけ鍵がかかってるが呼びかけても返事が無い、調べてくれ、というものだった。
面倒だったが一応調べることにした。
(女子にはめられる可能性も考えて友達一人つれて)
確かに鍵が掛かっている。

ノックと呼びかけにも答えは無い。
下から覗いてみたが足も見えなかった。
再度呼びかけ返事が無いのでドアによじ登って中に入った。
中には誰もおらず、何故か便座カバーの上に赤い紙が置いてあった。

市販されてる折り紙の赤。
内側から鍵を開けて、その場はただのイタズラだろう、という事で終わった。
次の日も同じ事があった。

2日目、教師に言うべきか、とも考えたが、その場にいた皆が怖い物見たさのようなものでしばらく見守る事にした。

次の日も同じ事があった。
3日目、女子にはもう自分達で見るように、何か変化があったら教えてくれと言った。
次の日も、その次の日も同じ事があった。
不気味ではあるが正直飽きていた。

毎日鍵の掛かったドアと赤い折り紙ではつまらない。
そう思っていた。
事は6日目に起きた。
部活中突然女子が1人、部室に駆け込んできた。

「来て」と俺の腕を引っ張る。
行き先はもちろん女子トイレ。

見るともう1人の女子がその場に座り込んでる。

「真っ赤になってる」そう言った。

何かと思いドアによじ登ってみると、個室の中の壁が真っ赤になっていた。
正直固まった。
落ち着いて見ると壁は何かで塗られたのではなく、びっしりと隙間なく赤い折り紙が糊付けされていた。
さすがにしゃれにならん、もう教師にちゃんと言うべきだ、という事になり職員室へトイレを見た教師は絶句してたね。

何故今まで言わなかったのか、と説教をされそのトイレはしばらく使用禁止となった。
その後色んな噂が飛び交ったが結局犯人は分からず終い。

今でも忘れられない出来事。

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