首なし鶏マイクの都市伝説、とはアメリカで首を切られた後、18ヶ月も生存した鶏マイクの都市伝説である。
マイクは1945年9月10日に食用にされるため、首を切られた。
通常であれば首を切られた鶏は数十秒で絶命するが、マイクの場合は違った。
マイクは首を切り落とされた後も羽をついばむような仕草を見せたり、周囲を走り回ったりして生前と同じように振る舞い、その日に絶命することはなかった。
翌日も死ぬことはなかった。
そのため家族はマイクを食すのを諦め、首なし鶏マイクの首に空いた穴から水と餌を与えて飼育を続けることにした。
翌週、飼い主はソルトレイクシティのユタ大学に、マイクを持ち込んだ。
科学者は驚きの色を隠せなかったが、それでも調査が行なわれ、マイクの頚動脈が凝固した血液でふさがれ、失血が抑えられたのではないかと推測された。
また脳幹と片方の耳の大半が残っているので、マイクが首を失っても歩くことができるのだという推論に達した。
また、ニューキャッスル大学のSmulders博士は「首を切り落とすと、脳と胴体の接続が遮断されます。短期的には脊髄の回路に酸素が残っているため、ニューロンが活発化して足が動くことがあります。ただしそれは通常15分程度のもので、18カ月間もこの反応が続くことはありません」と説明します。
Smulders博士は「マイクの脳は80%近く残存していたのではないでしょうか。心拍度数・呼吸・空腹・消化をコントロールする機能は手つかずだったのでは」と推測。
運良く血がすぐに固まったことで出血多量にならず、胴体に脳幹が残っていたことで、生命を維持することができたという。
マイクはその後も生存を続け、飼い主はマイクを連れて見世物ツアーを始める。
このツアーにより首なし鶏マイクは大勢のひとに知られることとなり、「奇跡のマイク」としてLife誌など取り上げられ、マイクの知名度は国中に知れ渡り、アメリカで最も有名な鶏となった。
首を失ったマイクは驚くべきことにツアー中、首がない状態で弱るどころか首があるときよりも太ったという。
しかし、残念ながら1947年の見世物ツアー中にマイクは流動食をのどに詰まらせて死んでしまったという。マイクの首が切られたから18ヶ月後ののことだった。
見世物ツアーの興行収入はすさまじいもので飼い主一家は大金持ちになったという。