新しい命が誕生するとき

カテゴリー「心霊・幽霊」

東京って幽霊多いよね。
日本であちこち転校したし、海外も住んだけど東京が一番心霊体験が多い。

子供は二人共都内で産んだ。
一人目は大学病院で、とても華奢な女医さん。
「帝王切開するなら退院する!」と我侭を言い、一晩中世話になって出産は朝10時。
徹夜明けの疲れた細い肩が忘れられない。
無事出産したがちょっと小さめなのでICUに。
ICUから帰ってきて、私のベッドの左横のベビーベッドに赤ちゃんは寝ていた。

7人部屋だったがある晩、深夜に誰かが私の左手を掴み、思い切り引っ張った。
私が思い切り払いのけるとすぐに治まり、私は眠りについた。

次の日の昼間、奥さん同士の井戸端会議が始まった。
出身はどこだの、私は三つ児だから出産大変だわーだの・・・他愛無い?話。
私は出産直後なのでカーテンを閉めて黙って横になっていた。

すると、向かい側の列のベッドにいた奥さんが、「昨夜、眠ってる時に誰かが私の手を引っ張ったの!」と言う。
そこで私が「私も!」と言えば少しは話も盛り上がるのだろうが、面倒なので黙っていた。
「病院にはよくある話みたいよー。」と言う感じで特に盛り上がる気配も無く終わった。

二人目は助産院で世話になった。
100平米強位の、助産婦さんが二人、夜は助産婦さんが一人しかいない所だった。
宿泊する部屋は和室で畳張りで、とてもリラックスできた。

家族も寝泊り出来たが、上の子もいるし部屋も狭いので、夫と子供は家に帰った。
赤ちゃんと二人きりの夜。
他には助産婦さんが別の部屋に一人いるだけ。
真夜中、いびきで何となく目が覚めた。

私もいびきは掻く方だが、どうも私のではないらしいし、自分のいびきはめったに聞こえない筈だ。
左には赤ちゃん、いびきは右の方から聞こえてくる。
気付くと金縛りで首は動かせないし、音を聞いているしか無いのだが、どうも男性のようだ・・・。
しかし、ここには私たちと助産婦さん一人しかいない・・・。

おかしいなあと思いながら、目だけは動かせるので8畳位の部屋をグルッと見渡すと、部屋の端の方で、多分、大人と子供、子供子供子供、大人と子供、それは適当だが、7~8人、皆正座をしてこちらをじっと見ていた。
真っ暗で、ぼんやりとしか見えないが、随分たくさんいるなぁと驚いた。

一人目の時に退院した後、自宅で24時間体制で赤ちゃんの世話に明け暮れていた時に、うちで飼っている熱帯魚の水槽から、突然変な音が鳴り出した。

ベビーベッドが寝室に入らないので、赤ちゃんと二人でリビングに寝ていた。
水槽のポンプの音はしょっちゅうするのだが、その日は何だか不思議な音に聞こえた。

『ブーーーー・・・ズズズズズ・・・ギューーーン・・・・・・』

この辺まではいつも昼間にもたまに聞く音なのだが、その後は『ブーーー・・グググ・・・ア゛ーーー・・グァーー・・・』

その内、男性が呻く声の様になり、『グァーー・・・ア゛ーー・・ガーーーー』と、苦痛を伴った様な声に変化していった。

あまりに恐ろしく寝るに寝れず、その日は朝4時の、日が昇るまで起きていた。
その後、その音を聞く事は無く、買ってから10年以上経った今もその水槽から、人声の様なものは聞こえてこない。

思うのだが、新しい命が誕生した時や、自分がもしかすると乗っ取れるかもと思う所に霊は集まって来るのではないだろうか?

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