医者の名前は○○○

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

年末に、ずっと伏せってたアニキが死んだ。

去年、彼女と8日間失踪して、アニキだけ戻ってきてから衰弱して、ずっと寝たきりだった。
詳しくはあとで書くが、彼女は行方不明のまま警察は捜査を打ち切った。

アニキは、寝る以外は大学ノートになんか一心不乱に書いてたんだが、絶対俺らには見せてくれなかった。
死んで初めてそれを見て、親父もママも死ぬほど驚いて、「年明けたら警察にそのノート見せに行く」と言っている。
だから、全部こっそりコピーしてきた。
今までアニキが絶対言わなかったことが全部書いてある。
俺は丘板は完全ロム専だったが、常駐してる鉄板はこんなスレないので(当たり前ww)こちらに失礼します。

『ミユキごめんミユキごめんミユキごめんごめんなさいわたしがミユキをまもれずミユキ本当にごめんなさい。わたしは死にたいのでだけど家ぞくに全ぶいわないといけないから。だけどいうとこわいからかくミユキゆめにでてきて下さいごめんなさい』

これが一枚目。

アニキは当時30歳独身、日本のさっぶい地方のくそ田舎に俺、パパ、ママと4人で暮らしてる。
仕事は自営業の中華料理屋、家族でやってる。
ミユキ(仮名)とはアニキの当時の婚約者で、19歳家事手伝いで歌手のaikoに似てた。
ちなみにアニキは、伊集院光がもう少しだけやせた感じ。
死ぬまぎわはガリガリになってたけど。

『2006年11月11日でしたぼくとミユキはぼくの車でドライブへいきました。少しとおくへ行きたかったので青森方面に行きました。
さむくミユキが少しアタタマリタイというたのでどこか止まれる場所をさがしたが、ホテルとかもなくずっと長いくらい道そしたらへんながけの上にでました。』

『ひょうしきはあったが他に車も通らず人も通らずもどろうと思ったが、今まで何もなかったからそのままススムことにした。ミユキ、ごめん!まわりは林、、、山だらけ。くらく、あかり光がありません。すると右がわに、むこうから来た車が、林の細道に入るのが見えました。ぼくらも入れば、どこかへつけると思い、おいかける事にしました。オイカケヨウとミユキが言うた。』

仮名以外はそのまま写してるので、読みづらくてスマソ・・・。
アニキ右手だけ布団から出して、左手で押さえないで書いてたから、ぐにゃぐにゃなんだぜ。

『その道は細くて車が一台通れるのがギリギリだ前の車は全全見えない。というかもし前の車がもどってきたらバックでもどるしかないぐらい細い。横道もないしずっとそのまま前へ前へ。かなりきてなにもないからもどろうかと思ったが、バックでこんな長くもどるのはむり。だからどっかつくまで一時間くらい走った。』

『ミユキはねてしまってた、ごめん、ミユキ!そしたら前にあかりが、見えたからおれは車を止めた人があかりをもって、ふりまわしていた。前に、車も止まってた、何人かその車のまわりでのぼったりしてる。ヤバイ!と思ったおれはバックしようとしたがうしろを見たらもう人がいるひいてしまう!ひけば、よかった!ひけば。まわりの人男はまどの外でさけんでいる。まどをたたく!あけろと言うている。じょんろないと思てアホーかーどなったらミユキがおきた。びっくりしてる男が石でミユキのまどをたたいてわった。ミユキをだきしめたらあけて入ってきたミユキミユキ、、、、、、、ミユキごめんなさい』

『車がピーピー音をたてていてうるさかった。ミユキはひきずりだされ5人はいた。泣いていたミユキ男たちはミユキをだいておくへ走っていく。おれも、おいました。前の車にはだれものっていなかったのです。
少し、走ると二かいだてのアパートみたいなんが、ありました。男たちは、そこへ、入っていく。ドアがこわされていて、中は明るい。』

『へやがいくつかあって、こまかくいうと、○○(アニキの友人の名前)のすんでるアパートみたいったな。中へ入ると、ミユキが2人の男におさまえられ、もうやられていた。おれはもう怒って、やってるほうの男になぐりつけると、うしろからせなかをけられ、たおれたらふまれた。そしたら、ミユキの横に、男がたおれていて、それは頭から血をだして死んでいました。たぶんぶんなぐられた。はだかだった。すごくさむそうだと思ったのをおぼえています』

このあたりはようわからん。
林の道をつっきっていったらアパートがあったのか?周りはなにがあったのか?
アニキ、作文ヘタすぎだろ、と。

『ミユキがやられてる間おれはふまれていた。ミユキごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい・・・』

(この後2ページ『ごめんなさい』だけがずーっと書いてある)

『ミユキがなにをいっていたかよくおぼえていないが、4人にやられていた。ユーターンして帰らなきゃ、とずっとかんがえていた。終わって、おれとミユキは別別のへやへとじこめられ、出れなかった。ミユキをずっとよびつづけた。かわいそうなミユキ。ごめんなさい、、、、、、、、、、、』

『明るくなったらにげようとしていたが、明るくならないのです。雨だったのか。男は、おまえの女はここにいさせるという言ばにマジで頭にきてそいつをなぐると、おれはミユキのいる部屋にいった。そしたらミユキの足首が切られていた!』

『ミユキはねてただけだったが死んでると思い頭にきてまわりの男をぶんなぐったが、なにか固いもので頭をなぐられそこへおれははいた。ゲロのなかにたおれ死ぬと思っただけどミユキは生きていた!ミユキは泣いてごめんなさいと言ったなんで!ごめんなさい!』

『横にいた男は医者だった。話をすると、前に止まった車はその医者のだった。医者はここに一ヶ月に一度、薬とか食べ物やいるものを車でもってくるんだといった。うしろから、おれの車がきてることは知ってたがもしヤクザだったらこわいからなにも言えなかった。ここはある村のしゅうきょうのきょうそが生んだ子どもが住んでいるのだそうだ。きょぅそは本当は生んではいけない子どもを5人生み、知られたら村にいれないし、自分の立場もあぶないからここに子どもをとじコメたが性欲が強くて、女だとすぐ気がクルウカラ、男をだけどその男は、とり合っているうちに殺されてしまったのだそうです。』

『ミユキとここから帰るとおれは医者にたのんだが、医者は、ぼくにはむりですと言う。ミユキは歩けないから、おれがしょって帰る。というと医者はそれはむりですと。なら、ここにいることをうちに伝えてくれとたのむと、それはできない、ぼくも、その村で生きていけないから、医者の名前は○○○(苗字が書いてある)だ!村は、青森の○○(地図で見ると三沢周辺)のへんです。近くにあるよミユキ、ごめんなさい』

・・・日記というか、手記はここでだいたい終わり。
あとは『ミユキごめんなさい』とか、家族に対する謝罪の言葉とかばっかで、肝心なことが書いてないんだよね。

どうやって逃げてきたのかとか、ミユキさんはどうなったかとか。
でも8日間帰ってこなかったし、それもある警察から『病院で保護してます』って連絡が来て迎えに行ったら、ほんとに衰弱してて死ぬ寸前だったから。

でも、ミユキさんの両親から捜索願いが出て、アニキはもちろん最重要容疑者?だから取調べも受けてたけど、不自然に取り調べは終わり、捜索も一週間くらいで終わっちゃったんだよね。

ご両親は自力で探してるみたいだけど・・・その村ってのがヤバいのかな、とも思うが、アニキはそれからほんとしゃべんなくなった。

正直おれは、アニキがミユキさんをどうにかなんかしたと少し思ってて、だから車もないし、問いただしたけど「違う、おまえは関係ない」ってずっと言うだけだったんだ。
手記がほんとなら悪いことしたし、その場所をなんとか探してみたいとも思ってる。

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