数年前の夏に友人たちとBBQに行った一週間後、その内の一人Aに面白いものが出来たから見に来いと家に呼び出されたんだ。
Aはその頃、写真に凝っててパソコンで合成して遊んでた。
AはBBQの時に撮った写真で心霊写真を作ったらしい。
見せてもらうとBの左足が消えかかってよくある心霊写真になってるw
Bはプロレスラーみたいな外見のくせに妙にビビりで驚かすと面白いから、次に集まる時に見せてビックリさせてやろうということになった。
それから一週間後飲み屋に集まった。
タイミングを見計らってAが「この間の写真出来たよ」と皆に写真を回す。
全部で20枚ほどあり1枚だけが例のいたずら写真。
最初に気づいたのはCだった。
C:「おいこれ心霊写真じゃね」
皆飲んでるせいもあって怖がるより本物すげーって感じで盛り上がった。
Aはというとビビってたというより完全に青ざめてガチで怯えていた・・・。
そこまで怖がるとは思わず予想外だった。
Bは「やっぱあの女俺を殺す気だ」「雰囲気が変だった」「あれは霊だ」と言う。
何の事かさっぱり分からないから聞いてみると最近奇妙な夢を見ているんだと・・・。
訊くと話はこうだ。
Bは夢の中で布団に入って寝ている。
誰かが左足を触っているので見ると見知らぬ30代くらいの女がうつむきながら自分の足をさすっている。
女は子供に話しかけるように「◯◯ちゃん(Bの名前ではない)大丈夫、大丈夫。きっと治るからね。歩けるから。頑張ろうね」と。
いつもそこで目が覚めるらしい・・・。
B:「あの女は突然豹変して俺を殺す気がする」
いたずらで作った心霊写真とBの夢が偶然一致してしまったB
本当は暫く黙ってネタ晴らしするつもりだったが、あまりにBが本気で怖がってたためAとネタバラシした。
Bには余程その夢が怖いのか・・・心霊写真が作り物なのを信じてもらえなかったし、俺たちが気をつかってると思ってしまったようだ
翌日Aから電話があったB
元の写真を見せてBに作り物だと証明しようと、Aはカメラの写真を確認しただがカメラの中の写真もBの左足が消えている・・・。
カメラにはパソコンにコピーする前の写真しか入ってない。
パソコンにも弄る前の写真があったがそれも何故か足が消失・・・。
さすがに気味が悪くなった俺たちはお祓いしに行くことにした。
そこは市内でも一番大きい神社だ。
神主に事情を話し、作り物の心霊写真も一緒にお祓いして預かってもらうことにした。
ただ神主は霊とかそういうのは見えない人間のようで、半信半疑な感じだった。
帰りにはお守りを買ってとりあえず俺もAもほっとした。
Bだけはまだ怯えていた。
B:「明日もあの女は来る」
・・・まだそんな事をと言っている。
俺も怖くなったがお祓いもしたし、そもそもあの写真はAの作り物。
Bが神経質すぎて少しイラついた「どうせ夢なんだからその内見なくなるよ。ストレスで不気味な夢見てるだけだろ!」といってやった。
Bは不満そうにぶつぶつ言ってたが無視し、Aも呆れていた。
1ヶ月くらい経った頃だった。
特に何事もなく俺もAも写真の事は忘れていたが、Bから突然電話が来た。
『◯◯ちゃんは優しい子だから助けたい。俺は◯◯ちゃんのためなら犠牲になってもいい。◯◯ちゃんが元気になれば俺も自由になれる』
そう言って一方的に切れてしまった他の友人にも同じように電話があったが、こちらの話は聞かず言うだけ言って切れたらしい。
それ以降Bからは連絡が取れなくなり、バイトに行ったきり戻らなくなったらしい。
元々何らかの理由で家出したくてあの心霊写真を使ったのか?とも思ったが、それにしても怯え方がリアルすぎた・・・。
それとも本当に夢に出て来た女に憑かれたのか・・・。