うちの家は二階建てで一階に祖母の部屋、台所、キッチン、座敷、風呂で二階には、居間、両親の部屋、子供部屋になっている。
小さい頃は一人で寝るのが怖くて祖母の部屋でよく寝ていたんですが、多分、五歳くらいの頃、祖母の部屋で寝ていて夜中に目が覚めたんですよ。
祖母の部屋は畳だから布団を敷いていて枕元に、いつも小さな明かりをつけていました。
頭のほうに目をやって誰か居たので体を起こして見てみたら、オカッパ頭で着物を着た女の子が正座してジーッと自分を見ているんです。
なぜか私は手を出して、その子に触れようとしたら横で寝ていた祖母が「手を出したらいかんよ!」と。
ビックリして手を引っ込めようとしたら、その女の子が私の手を噛み付いてきたんです!
痛くて泣いてたら、祖母が私の手をさすりながら「ほら、手を出したらいかんって言ったやろ?」と、その日を境に一階に居るときに二階から誰かが走っている音や笑い声が聞こえてきてました。
そんな事もいつしか無くなって、すっかり忘れてたんですが、私も小学生になっていて、家に帰っている時に通学路にある公園を差し掛かっていたら、公園の1番端から知らない女の子が「お~い!今帰り~?」と私に話し掛けてきました。
「うん。今帰りだよ~!」
「そっか~ばいば~い!」
手をブンブン振っていたので私も誰か分からないけど、手をいっぱいに振りかえし家に帰りました。
しかし、家に着いてその子が誰だか思い出しました。
昔、手を噛み付いてきた子だ!!
今でもその子が何なのか分からないままですが、祖母が亡くなる前に聞いておけばよかった・・・。