専門学校の友達で霊感が強い人がいた。
その人は変わった人で、その能力が楽しいらしい。
まずいわく付きのマンションに入居。
室内は美容師でも無いのに練習用の生首だらけ。
天上からはスカルグッズがぶらさがってた。
泊まりに行った時、いきなり「そっちの部屋今いらっしゃるけんいかんほうがいいよ」とかおっしゃる。
そして押し入れにはペンタグラムがあって、一日一回サタン占いをしてくれた。
さらに、マリア様の絵を何も見ないで描けるし、服を作るのが上手くて、出来上がった服は真っ白のドレス系が多くて、ぜったいしあげに血糊をぶちまける始末。
ただのオカルト好きだと思っていたのですが・・・。
サマーセミナーで山口のとある海辺のホテルに泊まった夜、消灯時間も過ぎ、人里離れたホテルでなんの楽しみもないので、怪談大会としゃれこみましたが、その人は乗り気ぢゃありませんでした。
そのホテルの造りなんですが、窓がある、というか硝子の壁なんですね。
そこからどの部屋からも砂浜に出れるんです。
数人が話終えたころその変わった彼が言うんです、「もうやめよう」って。
そう言ったかと思うといきなり彼が海めがけて走り出したんです。
それを見た瞬間私達の中で一番駆体のいいA君がやばいと感じ、彼を押さえ付けました。
しかし・・・。
彼はいとも簡単に190センチあるA君を跳ね飛ばし、海へまっしぐら。
俺達は急いで彼を追い掛け、男五人がかりでやっと組み伏せました。
彼の様子ももどって来たので、彼を連れて部屋に戻ると、今度は、部屋に残っていた女の子の一人が奇声をあげていました。
びっくりしていたら他の女の子達にも感染していき、先生が騒ぎに気付いてやって来ましたがどうしようもありません。
するとその変わった彼が、「いつもはこんなはずじゃないのに・・ごめんね」と言って、女の子達に憑いたモノと対話し始めました。
数時間後、彼は見事全部祓いました。
正体はたくさんの子供達でした。
この海でなにがあったんでしょうね?
次の日は俺らグループは予定をキャンセルしてお祓い&強制帰宅でした。
しかしまだ、続きがあるんです・・・。
その後も彼とは、バンドしたり、一緒にバイトしたりしましたが、ある日彼が俺に言うんです。
彼:「俺とさー随分永く一緒にいたよね」
俺:「うん」
彼:「こんなに友達になるって思わんかったけん言わんやったけど・・・」
俺:「なん?」
彼:「見えるのって遷るけん気を付けててね」
それからびびりまくりの日々でしたが、半年後・・・運命の日が・・・。
夜中、ちょうどAM4:00・・・。
アンプに繋いでギター弾いてました。
するとアンプからテレビの砂嵐の音がしました。
シールド(アンプに繋ぐコード)がアンテナになってラジオをよく拾うので無視してると・・・「アミダニヨライコンポンダラニーノーボートラヤーヤーボーアミアミダーサンビャクサンボダヤーアニャタオンヤミリター」と、老婆のお経です・・・。
恥ずかしながら気絶してしまいました。
だってベランダに顔半分黒いのが見えてました。
貴方の周りに霊能者がいたら・・・気をつけてくださいね。