遺体安置所とガードマン

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

ヨーロッパのどこかの国(忘れた)での話です。

ある女子大生が、恋人と喧嘩をし、お酒を飲んだ挙句睡眠薬を大量に飲み昏睡状態になり病院へ担ぎ込まれました。
病院で処置するも、意識はもどらず、そのまま息を引き取りました。
そして、遺体は解剖されることになり、一時的に遺体安置所に置かれるのですが・・・。

事件はそこで起きました。
遺体安置所に一人、ガードマンの男がやってきました。
彼はただ見回りにやってきただけでした。
しかし、安置所の中を見ると、そこには若い女性の遺体が一体置かれています。

遺体に外傷はなく、息を引き取って間もないので、肌はまだ血の気を帯びています。
ここが遺体安置所でなければ、たいていの人が彼女を眠っているものと思ったでしょう。
その若い女性の遺体を見て、男は心から美しいと思いました。
そして・・・。

遺体は若い女性で、美しく、まるで眠っているかのように無防備だ。
しかも当然衣服は着けていない。
男は、あろうことか遺体に欲情してしまったのです。

遺体安置所の内側から錠を下ろすと、男はついに遺体と行為を始めてしまいました。
人の道から外れた行為、そう考えると興奮はより増したことでしょう。
やがて、男がクライマックスを迎えるに至った、まさにその時「うぅ・・・」と、遺体が微かなうめき声を上げます。
ギョッとした男は動きが止まります。
そして次の瞬間グググググッ遺体が起き上がったのです。

そして虚ろな目で男を見据えています。
男はもうとにかく驚いて、まる出しのものをしまうのも忘れて安置所から飛び出し廊下に出て絶叫します。
言葉にならない奇声を発し続け、発狂したかのような騒ぎだったそうです。
騒ぎで大勢人が駆けつけて、次第に事の顛末が明らかになってゆくのですが・・・。

遺体の彼女は、昏睡状態で意識が戻らないまま心停止となり、医師に死亡と断定されます。
が、その時点でいわば仮死状態だったようです。
しかしそうとは気づかれないまま、そのまま遺体安置所へ運ばれ、解剖を待ちます。
そして安置所で事に至るのですが、そこで受けた性交の刺激によって、意識が戻ったということです。

ガードマンの男は、もちろんその場で逮捕され、刑務所行きとなりました。
が、被害者であるはずの女子大生と、その家族は、「あのまま安置所で何も起きなかったなら今ごろ死亡とみなされたまま解剖されていた。どんな形にせよ彼は命の恩人」として男の刑を軽くして欲しいと要請しているということです。

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