少し前の話。
突然、夜中に携帯に電話がかかってきた。
見ると仲のいい友達。
なんじゃろと思って出ると、突然「死にたい」と言い出した。
理由を聞いても、はっきりせず対応しようがない。
ついでに言うと、こっちも酒を飲んでおり、いい気分でいたので多少苛立ちがあった。
そのせいか、「死にたいなら死ぬがいいさ」とあっさり言ってしまった。
友人は、「そうか」と一言言って切ってしまった。
次の日、彼はごく普通に大学に来ていた。
最後にあんなことをいったとはいえ心配だった俺は彼に夜の出来事のことを問いただした。
友達:「いや、俺お前に電話掛けてないけど?」
彼の答えはそれだった。
ふざけんなと言いながら、着信履歴を見せると彼は笑いながら「そっちの携帯落としちまったから、今は2台目の携帯で連絡してる」と、もうひとつの携帯を見せた。
そういえば、アドレス帳のこいつのデータは二つ登録されていて、夜にかかってきたのはなくした方の携帯だった。
では、昨日かけてきた相手は誰だったのか?
悶々としていたときすぐに答えは出てきた。
「おい!B(違う友達)が電車に飛び込んで死んだってよ!」
ちなみに、Bの持ち物を調べてもらったところ、友人の携帯があったそうだ。