初めて首吊り死体を見た時が怖かった。
小学五年か六年だったと思う。
神社近くにある池に釣りに行ったんだ。
釣りを初めて暫くたった時にふと斜め前の対岸にオレンジ色の服を来た人がいつの間にか立ってた。
最初はこの人も釣りをするのかと思っただけなんで、特に気にせずに釣りをしてた。
さらに一時間ほど釣ってたんだけど、割と小さな池なんでバスなんて殆どいない。
雑魚ばっかだなぁと思ってオッサンの方を見たら同じよう立ってるだけて糸も垂らしてる様子はない。
すると、友達が俺の視線に気が付いて見ている方向を見た瞬間、釣竿を放り投げて池の柵を乗り越えて外に飛び出した。
俺はそれにびっくりしてリールを巻いてから友達の後を追ったら、道でキョロキョロして何かを探してるんだ。
俺:「なんや!なんでいきなり逃げてんねん!?」
友:「自殺!」
俺:「はぁ?」
友:「お前が見てたやろ!オレンジの!あれ首吊っとる!」
俺は目がそんなに良くなくて立ってる様にしか見えなかったんだが、友達には吊ってるロープも口から垂れる舌まで見えたらしい。
それから近くのガソリンスタンドから警察に通報して、俺たちは事情聴取を軽く受けた。
けど、俺が立ってるだけって思ったのは偶に手を持ち上げてたから、竿を使わずに手釣りしてると思ったんだよな。