小学校3年生くらいの頃の話。
私の家(二階建て)で仲が良かった友達と、私の妹とかくれんぼをして遊んだ。
私が鬼で、一階から順に探してたら、なぜか二階から隠れてた友達がダッシュで階段を降りてきた。
「どうしたの?」って聞くと、「お人形、髪のびてる」って言う。
二階の物置部屋に隠れてたらしい。
妹も出てきて、3人で確認。
祖母がくれた日本人形、よくTVに出てくるボテっとした市松人形みたいなのじゃなくて、太鼓をもって着物着てて、ガラスケースに入ってる。
みんな怖がって、物置部屋にしまわれたやつだった。
で、ほんとうに髪が伸びてた。
確か眉上パッツンだったのに、なぜか斜めに伸びてボサボサしていた。
怖くなって、3人で母にその事を伝えると、母は「嘘ー?髪が伸びるわけがない」って言いながら、二階に上がって行った。
しばらくして、なぜか無表情の母が、ガラスケースから出した人形を片手に降りてきた。
そしてなぜか、リビングのテレビの上にドスッと置いた。
私達は??って感じで、母の雰囲気も怖くて何も言わなかった。
その日から、学校から帰ってきて一人の時は、人形が気味が悪くてしょうがなかった。
母も働いていたので、子供達だけでいる時も怖くて怖くてたまらなかった。
一ヶ月くらい経ったある日、母はなぜか人形を生ゴミと一緒に捨ててしまった。
この時も母はなんか変だった。
10年以上経って、最近この話を母にすると、全く覚えていなかった。
もしかしたら人形が、少しでもいいからみんなに見てて欲しかったんじゃないかと、最近思ったりした・・・。