百物語の最後には必ず山ン本五郎左衛門の話をしなくてはならないとされる。
裃を着た40歳ほどの武士の姿をしているとされる。
各地の怪談には、もののけと対峙して一歩も引かなかったときに最後に山ン本五郎左衛門が出てきて、その勇気をほめるという話がいくつか見受けられるが、その肝心の山ン本五郎左衛門はどういった物の怪なのか、語られることはない。
百物語の作法の一つには百話目の山ン本五郎左衛門の話をすることをためらい九十九話で終わるというものもある。
この時、用意されていた山ン本五郎左衛門の話が本来の山ン本五郎左衛門の話で、一体どういった妖怪であるのか語られているという話あり、語り手が最後までためらうのが常だったために百話とされたというのである。