惜しかったね・・・

カテゴリー「都市伝説」

昔つきあってた彼女が普通に霊が視える人で色々な目にあった。

夏に海水浴に行こうってなって天気のいい日に車で高速を走っていたら「あ、やばい後ろに乗ってきた。」とかぬかす。

俺は全然視えないがこんな事は彼女といると日常茶飯事だったので「あぁそう。いい霊?悪い霊?」と適当に聞いたが、彼女が難しい顔をしている。

聞くとどっちかまではまだわからないけど、なんかぶつぶつ言っててそれが聞き取れないとの事。
まぁ害もなさそうだし、そのうちどっかいくでしょうと軽く考えながら走っていたらトンネルに入った。

すると霊の声が少し大きくなって聞き取れなかった声が聞こえるようになったらしい。

「右・・・右って言ってる。なんだろう・・・」

なんだろうとか言われても俺には視えないから知らんがな。
・・・と思いつつ運転していると、どんどん声が大きくなってるらしく、絶叫に近いくらい右右言ってるようだ。

守護霊からの警告なのか判断しかねていた彼女もさすがにこれは変だと思ったようで、トンネルの出口にさしかかったとこで「車線を左に変更して!すぐ!」とかぬかす。

トンネルの出口って日差しが強いとまぶしくて、一瞬視界が真っ白になんだからそんな言うなよと思ったが、とりあえず言われたとおりに左に移動させた。

右車線に目をやると事故を起こしたばかりらしい車が、中央分離帯につっこんでいて危うく玉突き事故になるところだった。

おいおい・・・冷や汗だくだくで彼女の方に目をやると、彼女が言った。

左車線に移動した時霊が言ったのよね。

「惜しかったね・・・」

って。

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