ちっさい頃の話なんだけど俺んち父、母、姉、俺、妹の5人家族で幼稚園ぐらいの時妹が生まれたんだけど丁度その頃の話。
おかんが妹産むために入院してて、俺と姉ちゃんはおとんの部屋で三人で寝てた。
三人で寝てもダブルベッドでおとん+幼稚園のガキ×2で全然狭くなかったんだけど、その日はなんだか寝苦しかった。(ちなみに真冬)
すぐ寝る俺なんだけど全然眠れなくってずっと天井眺めてたんだけど、いつもは煩いぐらいイビキかくおとんのイビキがまったくなくてめちゃくちゃ静かだった。
ちなみに俺が真ん中で寝てて、ふと何気なく電球を見たんだ。
俺も姉ちゃんも真っ暗の部屋で寝るんだけど、おとんは小さい豆電球つけて寝るもんだからほんのりと部屋の中は見えるしあの独特の薄茶色っていうのかな。
そういう光に包まれて、不思議と怖くなってきた。
電球をずっと眺めてたらゆら、ゆらって光がゆれた。
あれ?っと思ってずっと見てたんだけどやっぱり風もないのに電球が揺れてる。
ちなみに電気は紐でぶら下がってる様なヤツでそりゃかなり強い風が吹けば揺れるだろうけど、真冬で扇風機もクーラーもつけてない寒い部屋でゆらゆら揺れる電球はかなり異質だった。
そしたら次第に揺れが大きくなってなんていえばいいのか、分かりやすくいえば天井そのものが動いてる感じ。
電球の位置があっちいってこっちいって天井を徘徊してた。
それだけのことなんだけど、幼稚園児の俺には怖くてたまらなくっておとんにしがみついて、気付いたら朝だった。
それから10年経って借家だった家を引き払ってマイホームに住みはじめてから何年かたっての話なんだけど、家族で鍋くってて、何でか昔の家の話をしてた。
俺も思い出したようにその時の話をした、「変な夢見たな~」って。
そしたらいっつもニコニコ笑ってる姉ちゃんが無表情になって「それパパの部屋でしょ?」って聞いてきた。
俺は昔の家でこういうことあった~って話し方しかしてなかったから何で部屋が分かったの?って聞いたら姉ちゃんが「それ、私も見た」って。
やっぱ夢じゃなかったんだろうね。
たいして怖くなくってごめんね。
その部屋はおとんとおかんの二人の部屋だったんだけど、どっちも見てないらしい。
あの部屋だけなんだよね。
あの部屋なんだったんだろ。
借家だからもうわかんないけど・・・。