すぐ近くで人が死ぬ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

去年コロラドに旅行に行ったときに、ロッキー山脈の、ある山を登頂しようとして朝早く出かけた。

お昼過ぎに頂上付近に着いたら雷雲がこっちにきてしまい、すぐ降りるか立ち止まってるか選択を迫られた。
だけど、ちょうど雷雲と同じくらいの高度だったんで、あきらめて金属類を道の脇に置いて、少し離れたところの岩場の下でタバコ吹かしてじっと通り過ぎるの待ってた。

かなり怖かったよ、たまに近くで帯電する音が聞こえたりして。

そうしたら上から男2人が下りてきたわけですよ。
しかも片方はストックをグルグル振り回しながら・・・。

「あぶねえから尖ったもの捨ててじっとしてろ」って声をかけたんだけど、「急いでるから下りる、問題ない」ってそっけなく言って行ってしまった。

行って3分も経たないくらいで、運悪くそいつらの近くで稲光が起こって、そいつら2人とも死んだ。
そのとき聞いた悲鳴は今でも忘れない。

死体の第一発見者になるのも初めてなら、すぐ近くで人が死ぬのも初めてでトラウマになっちまったよ。

警察の事情聴取で帰国するのが5日も遅れたし。

でもその場では案外冷静で、悲鳴聞こえたとき内心では「あーあー」くらいしか思ってなかった。
マヒしてたのかねえ、あとからガクブルきたけど。

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