長年迷っていたけれど、もう恐れる相手もいないし書こうと思う。
私が小学校に入る前、あれは幼稚園の頃だったと思う。
当時私は関東のある都市にいる祖父母に預けられていた。
家庭の事情というやつだ。祖父は物事を教えるのが上手く、私は小学校二年生程度の読み書きはできる子供だった。(書き順はめちゃめちゃでそれは未だ直らない)
ある日、幼稚園から帰ると郵便局のおじさんがいた。
手には小包を持っていた。
郵便局:「○○さんはここかな?」
私:「はい。○○です」
郵便局:「××さんはいるかな?」
私:「いいえ、ここは○○です」
祖父母に育てられた私は妙に大人びた受け答えをする子供だった。
郵便局:「○○さんの家に××さんが住んでるって言ってたんだけれど・・・・・・」
私:「いいえ、いません」
そんな問答をするうちに叔母が来た。
叔母という大人による「いません」の一言で郵便局のおじさんは帰って行った。
小包を抱えて。
私は叔母に聞いた。
私:「何て書いてあったの?」
叔母:「うちにイマ○ユウコっていうお姉さんが住んでるって書いてあったんだけれど、いないわよね」
私:「変なの。間違いかな」
叔母:「でも、うちの住所だし○○様方イマ○ユウコって」
私:「それってどういうこと?」
叔母:「住んでるって意味よ」
私:「ふーん」
こんなやり取りがあったのを大きくなってから叔母が思い出した。
私も奇妙な出来事なので覚えていた。
叔母:「あの時あの中には何が入っていたのかしら」
叔母と私はたまに思い出す。
忘れることができないのだ。
あの時開けていたかもしれない箱の中身を。
私の家は○○という。
宮○勤による被害者と同じ苗字だ。
当時の私は被害者よりだいぶ年下だったが、結局箱の中身も行方もわからず終いだ。