千葉の某ダムで夜釣りしてた時の事。
夜中に一人で行くとか全然平気なんで、いつものように真夜中から釣り開始。
どうやら春先の数ヶ月の間に何人か亡くなられたようで、橋の袂に真新しい花束とお供えがあった。
とりあえず手を合わせて、『ここでは釣りをしませんから』と心の中で告げておいた。
そのとうりに橋近辺は避けて、岸際をトップ(※ルアーの種類)で打ちながら奥へ奥へと・・・。
だいぶ進んできた所でボイル?(※水面に波紋が出来たり、魚が飛び出たりすること)のように、ガボォ!ゴボッ!と何かが水面を割るのを目撃。
相当デカイ音がしてたからイタダキ!と思って、フルキャスト(※投げ釣りを全力でする事)してトップを通したんだけど出ない。
何度通しても出ない。
でもボイルはかなりの規模で続いて、少しずつ、でも明らかにこっちに近寄って来ていた。
トップだけじゃなくてクランク、ジャバロン、ミノーってな感じでローテーションかます余裕があったから、かなりの時間ボイルしてたはず。。。
異変?は、そのボイルが沈んで更に奥へ移動しようとした時に起きた。
対岸の山の中から叫び声。直感だけど若い、20代前半~半ばくらいの女。
『ギャアァー!!』っていう半端じゃない声のトーンで一気にパニックになった。
山の中に連れこんでレイプ!?
まさか殺人!?
こんな事が頭の中を駆け巡って、とにかく警察に・・・と携帯を取り出した。
・・・ら。
移動してる。
声の主が移動してる!
どこにその女が居るのか、声の発生源を目で追いかけられるほどはっきりとした叫び声を上げながら、明らかにその声は対岸の山の中腹辺りを移動してる!
携帯を握り締めて全身硬直、目玉だけでその叫び声を追いかけながらおかしい事に気付いた。
対岸の山の中には道路はない。
叫び声の主は息継ぎをしていない。
なのに声の主はクルマかバイクにでも乗らないと不可能な速度で移動してる!
叫び声を聞き始めてから結構な時間が経っているはずなのに声が途切れていない・・・!
当然ヘッドライトなんかも見えずに真っ暗な山の中なんだけど、中腹辺りを正面から見て左へ向かって明らかに移動してるんです、『ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ー!!』っていう女の叫び声が。
山道をあんな速度で移動出来る訳がない!
声をあれだけ張り上げて途切れないはずがない!
この事に気付いた瞬間に全身鳥肌総毛立ち。
更に『叫び声がそのまま移動すれば対岸からこの場所に到達する!』と思い、灯りも点けずに一目散に車まで逃げ帰り、開けた国道に出るまでルームミラーは、恐ろしい何かが写りこみそうで見ることができませんでした。
何て表現したらいいのか、本当に『あ』に濁点を付けたような声で叫び続けてたんです・・・。
物凄い速さで移動しながら。
例えは悪いですが、昔流行った?リンクを踏むと目の真っ赤な白装束の女が叫ぶドッキリに近いような声で。
抑揚無く続く声が耳から離れませ・・・。