父はヤバいビデオを持っていた

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

土曜日で学校から帰ってきて、友達と遊ぶ予定も無かったため、父の撮りためていたVHSビデオを片っ端から見ていました。

中には深夜番組や「北の国から」というビデオがありました。
一息ついてから再度捜していると、唯一ラベルがないVHSがありました。

几帳面な性格の父ですから、何か意味があるんだろうなと思い再生しました。

トラッキングがあっていなかった為調整をしていると、白い壁に赤いベンチが映っているのが分かりました。
ですが、いくら調整してもそれ以上綺麗に映ることは無くしかたがないので、そのまま見ることにしました。

しばらく見ていると、赤いベンチが徐々に大きくなっていることに気がつきました。
やがて画面一杯が赤くなった時、視点がぐるりと縦に回転し、
球の右端に傷のある赤い目が映し出されました。

その後、父が帰って来るまで私は砂嵐を見続けていたようです。

私に霊症はありませんでしたが、右目の右端には赤茶けた傷が今も残っています。

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