友人が山菜採りで経験した話。
友人を仮に「博史」とします。
その日、博史は友人とその爺さんとで山菜採りに行っていた。
朝早かったため、友人は車で寝ていたので友人爺さんと川辺で山菜を採っていると、川の向こうに二十歳になったかならないかくらいの若い女性がいた。
こっちに向かって手招きし、胸元をちらつかせたり太股をちらつかせたり、エッチな言葉を投げかけて誘惑してきた。
スタイル抜群で綺麗な声に美しい顔立ち、ついムラムラっときて対岸に行こうとして川に足を踏み入れたとき、友人の爺さんに強く肩をつかまれた。
爺:「いいか、欲に駆られるな。女の脇をよく見ろ。」
そう言われ、女を気にせず脇をよく見ると黒いもやもやしたモノがいる。
赤い眼のようなモノがこっちを見ている。
小声で訊いてみた。
博史:「どうしたらいいすか・・・?」
爺:「適当に言い訳して車に戻るぞ」
そう言われたので大声で対岸に向かって「忙しいからムリっすーー!」と言い訳してダッシュで車に乗り込んだ。
車に乗り込むとき、女が「また来たら捕まえればいいわ、あなた」と言っているのが聞こえたそうだ。
車の中で爺さんに聞いた。
博史:「あれは何だったんすか?」
爺:「山にはああいうのがいるんだ。たまにな。」
アレがいったい何だったのかは未だに謎だそうだ。