霊の存在を認めない人

カテゴリー「不思議体験」

Aは小学生の頃怖い話が好きで、読書も好きだった。
今Aは30代後半のはず。

子供の頃は夏休みのお昼に『あなたの知らない世界』みたいな心霊番組がやっていた時代らしい。
霊感に関しては「ないない。そんなのないよ~」と笑って言うが、霊らしいものはたまに見えたような気がしたらしい。

見えたような気がしたってなんなんだ?と聞いてみると、ドライブ中の山道で首つってるスーツ姿の男が道端にいたとか、自転車ですれ違った女性の肩におっさんの顔だけ乗っかってたとか。

それでも霊感がないと言い張るのは「だって、見えたものが霊なのか気のせいなのかどっちかわかんないから」と、基本的に気のせいかもで済ませている。

自転車で肩におっさんの顔がのっかってたのは「二人乗りしてて後ろに乗ってたのかも」と。
振り返って確認したりはしないらしい。
確認するのは絶対にしないとのこと。
過去に確認しようとして怖かった経験があったらしく、その確認して怖かったときの話を教えてもらった。

小学生の頃のAは怖い話の本をよく読んでいた。
子供向けの本で小説の文庫サイズだけどものすごく分厚い『○○大全集』みたいなやつ。
もしかしたら今でもそういった大全集的な本は売ってるかもしれない。

10年位前に『ライダー大全集』という本を見ていて「こういう感じの本で『恐怖大全集』みたいなのがあったんだよ」と教えてもらった。

当時は夏休みに『あなたの知らない世界』とかやっていたから怖い話がはやってたからなのか、その手の怖い話シリーズがいくつかあったらしい。
内容はオーソドックスな怖い話や都市伝説(時代的に口裂け女とか)
芸能界ネタ(レコーディングスタジオでの怖い話や録音したものに声が入ってるとか)以外に一般人の恐怖体験や不思議な体験等が書いてあるものだったらしい。

その中に金縛りになったとき霊をみる方法だか、金縛りになった原因になる霊をみる方法(?うろ覚えらしい)が書いてあった。
その方法は金縛りになったになったら部屋の四隅を順番に見ると最後にみた隅っこにその霊がいるというもの。

そしてある日、Aは寝ていると金縛りになったらしい。
そのときその方法を思い出して試してみることに。
ただ自分が寝ている近くに霊を見るのは怖いから一番遠くを最後に見るようにしたらしい。

6畳の部屋で寝ていた。
部屋の入り口から見ると正面に窓。
右側は壁で左側も壁。

部屋の出入り口から対象になる窓際にベッドがあったため、まずは足下の先にある押入れ付近を見る→自分の枕元の隅をみる→頭側の壁づたいの窓際の隅を見る→自分から一番遠い出入り口のある隅を見るといった順番で見た。

本に書いてあるように確認できるなら入り口に霊がそこにいるはずだが、いなかった。

Aは『あれは嘘だったのか。なーんだ、やっぱ見えないのかー』と考えながら目線を自分の真上の天井に戻した。
そこにも何もいなかったが、視界の端に何かが見えた。

ベッドは壁に片面がぴったりくっついた状態で置いてあったのに、自分の顔の横に何かが見えた。
体は相変わらず金縛りで動かないから視線だけをそちらに向けると、自分が寝てる敷き布団から女の人が生えてた。

漫画とかで水面から人が出てきてるような感じで布団から女の顔が出てきていた。
頭のてっぺんから目まで。
自分の顔の真横あたりに。
その女と目があった。

本には最後に見た場所って書いてたのに二番目にみた場所なんて!本の嘘つき!と思いつつも目をそらそうとするがなぜか目が離せない。
女は目までだったのが鼻が見えるまでゆっくりゆっくり布団から生えてきた。

俺が「それからどうなったの?」と聞くとAは「気付いたら朝だった」とのこと。
気を失ったのかもしれない。
Aは「夢だったのかもしれない」という。

A:「シングルベッドで顔のすぐ近くだったから超怖かったwwwだから確認とかは二度としない。怖い話ばっかり見てたから夢にまで見ちゃったけど(もう夢と決め付け)もし本物だったらいやだもん」

他にも話しかけられたとかもしかしたら霊だったかもというのはいくつか聞いたけど
、すべて「気のせいだと思うけどね」で終わる。

かたくなに霊を信じないAに若干、腹立たしさを感じている今日この頃・・・。

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