森林組合の職員に聞いた話。
その地方では、毎年1月12日は山の神が木の数を数える日なので、「山の神の日」として、何人も入山しないしきたりとなっている。
山の神の日には不思議と雪が降らない、と言われている。
神さまが木を数えやすくするためだ、ということらしいが、それでも、稀には山全体が雪に覆われるような年もある。
そんなある年、1月13日の夜明け前に雪景色の山に入ると、小さな裸足の足跡が、そこかしこに残っていたことがあった。
ただ、日が昇ってからもう一度行ってみると、雪は溶けていないのに足跡だけが消えていたそうだ。