俺が小学生の時のことだ。
他の学校ではどうなのかは比べた事はないから分からないけど、養護教室(学年だったかな?)があって、高学年の給食当番が毎日給食を運んで一緒に食べる・・・という決まりだった。
他の子は(病気や障害の人の所へ)行きたがらなかったけど、俺は特に気にもせず他の子の代わりに行くことも多かった。
ある当番の日、いつもの様に給食を持って養護教室に入ると、養護教室の男の子が部屋の隅でこっちに背を向けて立っていて、ここの担任の男の先生が部屋の対面にある先生机で泣いていた。
俺はワケがわからないまま、とりあえずいつものように机を並べて給食を置き、教室の子を連れてこようとその子のところへ向かうとその子が「ぶっぷる」だか「るっくす」だかと、ずっとつぶやいてる。
すると泣いてた先生が急に「ダメだーッ!」っと叫んで俺の腕を掴んで先生と一緒に教室から出された。
先生は「今日はいいから自分の教室に戻ってなさい」と言い、俺が何があったのか聞いても、「大丈夫だから」としか言わなかった。
子供ながらに疑問に思いつつ教室に戻ろうとしたとき、先生が養護教室のドアに鍵をかけるのが見えた。
自分の教室に戻って「あ、俺の給食が無いじゃん!」って事に気付き、先生に事の詳細を話して、他のクラスへ給食の残りを貰いに行ってると、救急車とパトカーが来たのを廊下の窓から確認した。
その日のHRで俺の担任から聞いた話では俺が給食を持っていく前の4時限目、養護の子は授業中に発作を起こして死んでしまったらしい。