ある小学校の図工の時間。
Sくんは真剣になって版画の仕上げに取り掛かっていた。
いつもSくんをいじめていたRくんは、Sくんを脅かそうと、2本の彫刻刀を両手に持ち、真剣に作業をするSくんの後ろに忍び寄った。
「頭の上からいきなり2本の彫刻刀を落として、Sの版画に突き立ててやろう・・・」
いきなり頭のうえから2本の彫刻刀が落ちてきて、作りかけの版画に突き刺さる。
Rくんは、驚くSくんの姿を思い浮かべてほくそえんだ。
「あいつ泣くかもしれねぇな。まじでおもしろそうだ」
Rくんは2本の彫刻刀を両手に持ち、静かにSくんの頭の上へともっていった。
Sくんはまだ気付いていない・・・
・・・と、そのときだった。
Sくんは何かの気配に気づき、よりによって真上に顔を向けたのだ。
グサ!!
「ぎゃーーーーーーー!!!」
Sくんの悲鳴が教室中に響き渡った。
その後、血の海と化した教室は大騒ぎになり、Sくんは救急車で運ばれていった。
Sくんが入院してから2週間が経過した。
ガラガラッ!
突然、授業中の教室のドアが開いた。
Sくんだった。
Sくんは絵に描いたような笑顔でそこにたっている。
漫画のような笑顔だ。
そうちょうどこんな具合に・・・。
(⌒_⌒)
RくんがSくんの目に突き刺してしまった彫刻刀は、2本とも丸刀だったという・・・。