ある学生がアパートに一人で暮らしていた。
ある夜中に目が覚め時、部屋の中には彼以外誰もいないはずなのに、部屋の中から、人がいるような音が聞こえていた。
それで目を開けて見ると、部屋に若い女性が座っていた。
彼は状況が掴めないまま驚いて電気を点けた。
すると女性は消えてしまった。
彼はそれらの音や女性は幻聴や幻覚がはっきり現れたものだと思い、自分の精神に深刻な異常があるのではないかと考え、不安になった。
それから彼は電気を消し、寝ながら幻覚について考えていると、またさっきの女性が現れた。
女性は自分の意思から独立し、何か意思をもって現れてるように感じるので、幽霊ではないかと思った。
でも女性を見ている時、周りの現実感が薄く、それは幻覚かもしれないと思った。
それで彼は、それが幻覚か幽霊かを確かめることにした。
始め女性に対し口や、直接心で話しかけたが、反応がなかった。
それで彼は、女性に対し、警戒することをやめて、親しく思うようにして感情を開き、意識や感覚を受け入れた。
すると彼女は表情が柔らかくなり、顔をこちらに向けた。
それから彼は、彼女に対し心で直接に意識を伝えた。
彼女はそれに反応し、明るい感じになりにこっとしたり、じっと見ていたり、拒否して戸惑った感じになったりなどした。
それに対し彼は、彼女が意識を受けて彼女自身で行為しているのか、それとも自分の意識で彼女を動かしているのか、判らなかった。
そして彼女に対し、色々想像しその意識を伝えた。
その内、彼は彼女に引き込まれ、彼女と一体になりたいことを強く意識し、欲求のまま彼女を誘導し、裸にしてしまった。
すると突然、彼は、自己のまとまりの感覚や現実感が崩れ、震えが起こり、それに対しとっさに自己のまとまりや現実感を引き戻そうとしたが、止まらず、同時に女性は嬉しそうな表情で、しっかり彼をつかまえ、大きな高い声を出しながら、部屋一杯に膨らんでしまった。
その後、彼は精神分裂病と診断され入院し、今は、発病当時の状態と比べ通院できるまで病状が軽減した。
しかし彼によると、彼は今も、肉体や心がその女性に飲み込まれたままになっている。
また自分の肉体をその女性の肉体とも感じるし、彼の心の中にその女性の心が入り込んだままになっている。