大学生のとき、バックパック背負って初の海外旅行に行って、友人と30日かけてヨーロッパをぐるっとまわった。
帰って現像したらすべての写真が変だった。
自分の体が透けて後ろが見えてたり、たくさんの顔が背後の遺跡に映ってたり。
中でも一番怖かったのが、移動の長距離列車の中で撮った写真。
座席に寄りかかって片足を抱えるようにする自分のGパンの裾から小さな子供の手が出ていた。
そして体をぐるぐると巻くように人魂のようなものがまつわりついていた。
帰ってほどなくして、パニック発作が起きるようになり、鬱を併発して病院通いが続き、まともな生活が送れるようになるのに10年ほどの月日を要しました。