ある有名なガス管事故

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

いつものように一日を過ごし、いつものように床に入ったある一家。

その一家の住む家の前では、数カ月前に水道管工事が行われていた。
その際、水道管の横にあるガス管にかすかな歪みが生じた。
歪みは数カ月をかけてガス管に亀裂を生じさせていた。
そしてある日の深夜、亀裂から漏れたガスはその一家の住む家に一気に侵入した。

翌日、付近の住民の通報で消防隊員が捜索した際には、一家はまるで眠っているように息を引き取っていた。
死因は都市ガスに含まれる高濃度の一酸化炭素。

吸えば人は一瞬で気を失い、酸欠状態に陥る。
一家はおそらく自分たちの命の危機にも気づかず亡くなってしまったのだろう。

そしてその住宅は、事故から30年以上たった今も廃墟として放置されている。
駅前商店街の一角、人通りの多い場所である。

あの事故を知っている市民は、廃墟の前を通るたびに、なんとも言えない物悲しさを感じる。

人はいつ死ぬかわからない。自分に落ち度がなくても。

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